2023年 日本を護るために
2024年 9月8日 危機管理能力
この能力失くして組織の繁栄はありえない。ましてや国のトップともなれば国民の命が掛かる重大関心事になるはずなのだが、現在のところ自民党総裁選で的を射た危機管理を訴える候補はいただろうか。というのも推薦人を揃えた候補者の公約を聞けば、この人たちは世界情勢を、いまどのように捉えているのか心配になる。
じつは今朝ほど見つけた現代ビジネスの記事にロシアがウクライナのクルスク侵攻を受け、核ドクトリンの変更を行ったということが書いてあった。どう変わったのかといえば、もちろん核兵器使用の危機が高まったということなのだ。ちなみにこの記事によると以下の4つの項目がこれまでの核ドクトリンに追加されたそうだ。
(1)ロシア連邦および(または)その同盟国の領土を攻撃する弾道ミサイルの発射に関する信頼できる情報の受領
(2)敵がロシア連邦および(または)その同盟国の領土で核兵器やその他の大量破壊兵器を使用すること、
(3)敵がロシア連邦の重要な国家施設や軍事施設に影響を及ぼし、それが機能停止することで核戦力の対応が混乱する、
(4)通常兵器の使用によるロシア連邦への侵略で、国家の存立が脅かされる場合
例えば(1)についていえばここには、ロシア連邦及びその同盟国とある。これをウクライナ戦争が起こっている、地球の反対側だけの話しだと思っていたら大変なことになる。というのも先月ロシアと北朝鮮は強力な軍事同盟を結んだばかりだからだ。そしてこのドクトリンにある弾道ミサイル発射に関する信頼できる情報とは何だろう。要するにミサイル発射の確認ができれば、すぐに核攻撃に踏み切るということだ。この場合ミサイルが通常弾頭か、核弾頭かの違いまで識別することは不可能だろう。つまり偶発的な核戦争が起こる確率はこれまでになく高まっている。また通常兵器の攻撃であっても国家の存亡が脅かされたと判断された場合、核兵器の使用を行うというものだ。さて危機管理について述べればこれを単なる脅しと解釈するか、この事態に対して何らかの対策を講じるべきだとの考えるのが危機管理の対応ということになる。つまり現実に起こってはいないことでも、情報を察知すればこれに対応する能力が危機管理能力ということになる。さて閣僚の出馬も見受けられる総裁選でこのような危機に対して何らかの発言はあっただろうか。内閣にいてこれらの情報が届かないということは有り得ないので、情報があってもこれを危機とは認識していないということなのだろう。
これらの候補者から私が受け取ったメッセージは、裏金問題の処理、財政健全化に滲むデフレと増税の影、構造改革という白タクの推薦と戸籍制度の解体などである。とはいえもしこの時期、北朝鮮の南下が起これば、いよいよ核戦争の危機は高まるはずだなのだ。こうなれば在日アメリカ軍は直ちに日本の基地から出撃することになるのだが、当たり前のことだが、こうなれば基地のある日本本土も攻撃の対象になる。さらに今回盛り込まれた反撃能力により日本は長距離のミサイル攻撃が可能になった為、これの使用により日本が核兵器使用を受ける可能性は更に高まっているというのが一般的な見方だろ。
これにより日本は安心を手に入れたというよりも、核戦争の崖っぷちに追い込まれてしまったと言っていい。しかも日本は唯一の被爆国となったが、裏を返せば日本はこのような無差別兵器を使うために、実に都合が良い地理的条件を備えているといっていいだろう。
つまり、ウクライナは地続きだが、日本は遥か海の上に浮かぶ島国なのである。しかも国際連合からすれば、いまだに日本は書類上敵国という扱いになっている。こんな国が自ら核兵器を保有すればどうなるか、彼らもまた相手国の国民を滅ぼそうとしていると考えて、核兵器使用になんら躊躇は無いだろう。さらに私が恐ろしいと思うのはこれにより日本は、これによりこれまで祖先から受け継いできた高潔な魂を失うことだ。
さてこのような危機に会わない為にはどのようにすべきかと考えれば、日本は独自の軍隊を保有し、外国の軍隊を国内に置かないことだろう。とはいえ改めて軍事的同盟が必要になる場合は、対等な立場で同盟を結ぶことだ。これよりさらに重要なことは中立的な外交で、これにより周辺国との不用意な緊張状態をつくらない努力が必要だろう。
とはいえ、これは周辺国に阿る外交を勧めているのではない。軍事力に頼る前にもっと足元を固める必要があるということだ。ようするに国内における法整備に目を向けなければ、現在の日本は経済的にも他国に隷属しなければならないような環境になりつつあるということだ。つまりこれに関する取り組みが経済安全保障という取り組みで、現在の担当大臣が一生懸命これに取り組まれているところだ。これは日本国内の産業を知的財産権や生産ラインの確保まで総括した安全保障を考えるという壮大な取り組みで、大臣はこれについて着実に法整備を進めているという頼もしさだ。
これまで日本の政治は、改革がある度にかえって日本の経済力を衰退させてきた。今日本の現状を見れば、これに異を唱えるのは、なぜか経団連ぐらいのものだろう。それに引き換え地方の企業は一生懸命この政策について講演会で勉強されている。これが組織のリーダとして最も必要な資質、危機管理能力ではないだろうか。