春望録
2025年 4月4日 成功の兆し
さていよいよ世界全方位に対し関税の発動と言うこれまで世界が向かってきたグローバル経済に対し、自国ファーストというともすれば危険なナショナリズムのレッテルを貼られかねない政策がいよいよスタートする。因みに今朝の経済番組でこの政策が成功に向かっている兆しが、ある指標を通し見えてきた。こんなことを言えば何処の飛ばし記事だと思われるかもしれないが、残念ながら私もそんなことが書いてあるどこぞの記事を見つけたわけではない。
むしろ現在のマスコミはそんな情報は期待していないだろう。とはいえ物を言わない指標はやはり嘘もつけないのである。要するにその指標はトランプ政治の重要なカギであるインフレ抑制についての可能性を示している。これを見ればトランプ革命はやはり成功に向かうだろうと言う予想が成り立つ。さてその指標とは誰でもが目にする原油の価格だ、これによるとドバイ、ブレント、WTI,OPECバスケットなどの主要な指標はすべて値下がりを示している。私はこれにより世界のインフレは天井が見えたのではないかと思っている、なかでも特に興味深いのが北海産原油のブレントが前年比マイナス10,87%と一割も価格を下げていることだ。北海油田と言えば主にEUで消費されるものと思っていたが、その原油が他の指標に比べ最も値を下げているので、これまでであればEUは景気が悪くなると判断されても仕方がない、とは言えこれを脱炭素政策の成果だとすることもできるので、これを見てこれまでのようにEUの景気を語ることは出来ない。
それにしてもそんなEUで日本のガソリン車がバカ売れしているそうなので、果たしてEUはEVをこれからも推進できるのか疑問が残る。またさらに深刻な問題になるのが、これからNATOがアメリカと更に距離を置くことになれば、ほぼ化石燃料で動く軍用車両はどこで生産するのかという疑問が浮かんでくる。きっと、日本はここでもビジネスチャンスに与かることが出来ると考える企業も出てこないだろうか。
話が横道にそれたが、いままで輸出関連で利益を上げてきた日本企業はいきなり窮地に立たされたことになる。一方これを国民目線で捉えると別の見方が出来る。因みに現在日本経済の牽引者である自動車産業も外貨獲得のための重要産業として、これまで国策としてこれを支えてきた歴史がある。そのため貿易関税廃止の問題が起こる度、日本の農業はそのしわ寄せを受け、なんとか補助金でそのギャップを埋められてきた。ところが最近はこの梯子も外されそうになっているのだから現在日本の農家は立つ瀬がない。
要するにトランプ政治のやりたいことは、この関税により世界各国も自国民の生活に目を向けたらいかがでしょうかという側面を垣間見ることが出来る。つまり国民の側に立てば消費税のように国民の賃金上昇を停滞させる税制は廃止して、まずは自国のマーケットで自国企業が活躍できる環境を創ってはどうかと言う何とも有難い提言のように感じるからだ。しかもアメリカに対しても公平に課税してくださいと言われているので、やはりこの政策は相対する国民にとってもアメリカだけがよければ良いという考えではない。つまりトランプ大統領が心から願うのは他国の政治家に対しても自国民目線で政治を行ってはどうかと言う思いやりのように感じてしまうのだ。つまりこれに倣えば、日本の政治家も国民生活を第一に考え報復関税をただちに発動し、かねてより財政に心配があるのであれば関税をこれに当てますということが、民主主義国家の政治家として当然の姿のように思える。逆に言えばこのような場面で躊躇するのは、すでに国民目線の政治家ではないという証拠ではないだろうか。
さてこのような状況を見れば今の日本の政府に経済復興の期待は出来るだろうか。要するに今日本に最も必要なことは何かといえば、何をおいても自国のマーケットをただちに活性化させることである。そのため輸出関連業者ばかりが優遇される消費税は、即刻廃止されるべきと考えている。と言うのもこの制度は人件費が生産コストに乗らないという初めから大きな欠陥がある。これにより積みあがるのは、配当性向を押し上げるための企業の純利益でこれが、企業の設備投資や人件費には繋がらないため、ここがいくら増えても企業の未来に明るい兆しは見えないのである。それよりもこのまま行けば企業は投資家の思いに左右され、企業による本来の企業戦略が立てられないことになる。
またこのような企業の体質以外にも、近頃その影響が表れてきたのは日本における社会インフラの脆弱さだ。例えば国のGDPは順調に上がり続けているにも拘らず、国民一人当たりのGDPに直すと日本は、自国産業をほとんど持たない新興国と変わりない状態なのである。このような状態は、過度に個人所得に依存する税制では当然のように思える。これでは大規模な公共事業など望むべくもないのである。とはいえこのような事態に陥ることを以前から予測されていた方が居られる。それは公益資本主義の著者原丈夫氏で、ここにはこれまでの資本主義の持つ根本的な危険性が述べられている。要するに企業は投資家の物と言う考えには限界があると言う事で、要するに外部からの投資に依存する経営はメリットばかりではないと言う警鐘なのだろう。だとすればやはり、賃金より配当性向に阿る税制には極めて大きな問題があるのではないだろうか。このようなことから、この税制は日本経済にとって深刻な影響を与えていると言わざるを得ない。つまりこれは減税の対象ではなく存続させてはならない欠陥税制だと言う事だ。結局このような自国の税制すら見直すことが出来ない政治家が、トランプ大統領の国民ファーストを理解することは出来るだろうか。