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春望録

2025年4月20日gallery,ようこそ

2025年 4月20日 あと数日

18日ロイター通信の報道によると17日パリで行われたウクライナの停戦協議に進展が見られなければ、アメリカはこの交渉から手を引くとの意向が示された。私はこの報道によりEUの命運は尽きたと思ったが、今日になってロシア側からウクライナに対し復活祭のための30時間停戦の申し出があった。プーチン大統領による一方的な呼び掛けだが、このことを切っ掛けにアメリカの想定する平和交渉に歩み寄りが見られればと願っている。

もしこの提案が受け入れられず、このままアメリカが交渉から手を引いた場合は、これによりウクライナどころかEU全体が世界の経済成長から取り残されることになりかねない。つまりアメリカがこの交渉から手を引くことになれば、この戦況から見てNATOはウクライナ戦争に直接干渉せざるを得なくなり、これによりアメリカはNATOを脱退決断するだろう。と言うのも手を拱いていれば、このままでは次の世界大戦に巻き込まれかねないからだ。

ではアメリカ抜きでNATOがロシアに勝利できる可能性はあるのか考えてみると、その可能性は極めて低い。というのも現在たとえ兵員数や通常兵器でロシアと拮抗した状況にあったとしてもエネルギーの保有状況や鉱物資源、兵器の生産能力について比べても中国抜きのEUにそれを乗り越える力があるとは考えずらい。と言うのも現在のEUはタイヤすらまともに製造できるのか怪しい状態にあるからだ。この状態にあるEUとロシアの状況を比べれば、どちらに分があるのか考えるまでもない。さらに言えば、このような状況で国連が法的手段に訴え停戦を支持する行動に出なければ、ロシアはこれまで期待してきた法規的解決を手放さざるを得なくなるだろう。つまり、これまでドンバスを超えた侵攻を自制してきたロシアは、これにより一転してウクライナ全土に侵攻する可能性が出て来る。

ではここでNATOがウクライナ国境を越え軍事介入した場合、ロシアはあらゆる手段に訴えると明言してきた。つまりこれまで公言してきた核兵器使用もやむなしとするロシアを制するものは何もない状態に至ってしまう。そうなった場合NATOの保有する核兵器の数を数えれば、核保有国であるイギリスとフランスをあわせておよそ500発、たいするロシアはおよそ5000発と言うあまりの戦力差がある、この戦力差は兵員数の差のように戦術や軍略で乗り越えることが出来ない。

さて、先ほど触れた核兵器についてだが、世界で初めてその悲惨さを体験した日本でも未だこの威力を信じて疑わない人たちがいる。要するに核兵器は戦争の抑止力になるという考え方だ。確かに核兵器の数が拮抗している場面ではその様なことも成り立ちそうに思えるが、これほどの戦力差があれば、これに頼るのはあまりにも現実的ではないように思える。しかもこのような核兵器の使用について2022年の共同通信によるとウクライナ侵攻が始まって間もなくのバイデン政権下のアメリカでは核兵器使用について数多くのシュミレーションが行われていたそうだ。それによれば核保有国への直接攻撃よりも周辺の同盟国が標的になるという何とも不条理なシュミレーションがあった。ということは極東においては日本がその標的なることは充分あり得る。ところで核の使用にあたっては指揮官の高度な判断が重要になる層で、この使用についてはシュミレーションにおいても結局その場の指揮官に委ねられることになる。要するに私が最も心配するのは、日本が核兵器を保有することは、正当防衛という核攻撃の言い訳を相手国に与えてしまうからだ。

因みに核兵器と言えば最終兵器と言われるが、これが使われた場合の状況を想像してみると、どちらの国民も地上から消滅して引き分けとなるか、或いはどちらかの国民が、かろうじて生き残れている状態だろう。では、そのように生き残った人類がいたとして、その環境は住む家や食糧、社会インフラなどの全く存在しない過酷な環境になっているはずだ。もし、仮にそのような環境で敵味方同士が再び出会うことがあれば、彼らはそこでも勝敗を掛けて戦に明け暮れるだろうか。恐らくそれほど過酷な環境でやっと出会った人類なら、共に手を携え生存の道を歩むに違いない。そしてこれほど馬鹿げた戦争を引き起こした者たちを、彼ら生存者たちは未来においてさぞや恨んでいるに違いないのだ。

このように切羽詰まった状況になれば、本当に平和を望み国民の命を第一に考えている政治家は誰なのかはっきり浮き彫りになってくる。少なくとも私の目には戦争継続に血眼になるEUの指導者は異常に見える、彼らは自国民の命など意にかえすことがない。

 

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Posted by makotoazuma