今昔問答
2025年 8月17日 平和への道筋
昨日アラスカの米軍基地において、米ロの首脳会談が行われた。特に印象的だったのは会談に出席したプーチン大統領はトランプ大統領のエスコートを受けレッドカーペットの上を歩いたことで、この会談がアメリカによる歓迎ムードの中行われたことだ。これに対し西側の反応は当然のことのように警戒心むき出しのコメントが続いていた。そのうえこれに被せるようにマスコミはトランプ支持者が減っていることを盛んにアピールしている。
とはいえ、今年の初めトランプ大統領が就任する前の状況は両国がいつ核兵器を撃ちあってもおかしくないところまで事態が悪化していたことは、当時、誰もが感じていたことだろう。結局国のトップが誰になるかで、その国の将来どころか人類の未来が変わってしまうことの教訓となる。ところで、世界中にある核兵器の9割を保有する両国が真っ先に話し合ったことは何か、これは私の想像でしかないが、もし核兵器がどこかで使われることがあったとしても、両国は核の報復はしないと言う事ではないだろうか、この確約が取れれば、この戦争の終結はウクライナが今後どのような選択をしたとしても結果が変わることはなくなるだろう。
それに引き換え昨日終戦80年を迎えた日本は相も変わらずで、国のために命を捧げた人たちに敬意というものを示すことも叶わない。しかもA級戦犯として東京裁判で裁かれた方々にたいして、あまりにも後ろ向きな解釈が横行していることに辟易する思いがしている。こんなことを書けば、誰かから反省がないと言われるかもしれない。そのような発言をする人に限ってロシアは怪しからんの一点張りで、対話による解決というよりも、意見の異なる彼らには殺気を感じてしまうほどだ。
因みに世界の常識のように扱われるA級戦犯という名称だが、そもそもWW2 以前は戦争犯罪という罪は存在しておらず、結局A級戦犯の被告は東京裁判において、司法の世界ではありえない事後法によって裁かれたことになる。しかもこれ以降も多くの戦争が世界中で起こっているが、この罪で裁かれた被告を私は知らない。この問題で特に残念に思うのは松井岩根陸軍大将が南京事件の責任を負わされ死刑に処せられたことだ。松井岩根大将といえば大変な親中派と知られ戦前蒋介石とも親交があったという。しかも南京の開城に際し皇軍としての規律を守ることを厳命していたという話は、歴史の皮肉である。恐らく、このようにな結果になったのも氏が全ての責任を引き受け、他に害が及ばないように黙して刑に服したのではないだろうか、そう思うと胸が詰まる思いがする。しかしながらこれらの事も、研究者によっては一様ではなく諸説あることが知られている。因みに外務省のホームページでも、この件に関しては断定的な認識を示すことは避けられている。要するに学者と名が付けば、当然諸説ある事実を履がいせない限り断定的な発言は控えるべきと思うが、それにも関わらず素人に対しては公然と断定的な意見を押し付ける有様だ。
さて、昨日の米ロ会談では何事かの合意には至らなかったそうだが、「次回はモスクワで」というプーチン大統領の言葉にトランプ大統領は同意したそうだ。 しかも会談の最後にプーチン大統領は「もし2022年の時点でアメリカの大統領が違っていればこの戦争は起こらなかった」と発言をしたそうだ。これについて以前からトランプ大統領も同様の発言をしている。と言う事は、すでにこの戦争は3年が経過していることになるが、その間、双方で100万人が戦争の犠牲になったと言われている。結局アメリカ大統領が誰だったかによって彼らの運命は変わっていたということなだ。さらにこのことについて言えば、その後2023年にも停戦のチャンスは存在していた。それがアメリカ債務上限停止法案可の決だった。当然これによりアメリカからの支援は停止になるものと思っていたが、そのチャンスを踏みにじり戦争継続を促したのは、日本からの資金援助だった。私は戦争犯罪者という言葉が相応しいのは、このような人達だと思っている。そんな戦争継続の流れを引き継ぐ人を今もデモまでして支持している人達を見ると、彼らが叫ぶ正義こそかつての戦争協力そのものではないかと感じてしまう。