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思考ラボ

2024年9月15日gallery,ようこそ

2023年 10月13日 アイーダとアラビアのロレンス

そしてシンドラーのリスト。

アイーダといえば日本人はサッカーのワールドカップを思い出す。応援歌で何故かアイーダの凱旋歌が歌われるからだ。ところで、このオペラが上演されたのはまさしくエジプトのカイロで1871年にスエズ運河の開通記念に合わせて上演されたと言われている。

そしてこの工事が始まったのは1856年で日本ではまだ江戸時代になる、それにも拘らずこの世紀の大プロジェクトはエジプトのスエズ運河会社が工事を行った。スエズ運河といえばヨーロッパの黒海と中東の紅海を結ぶいわばヨーロッパとアジアの懸け橋だ。もしこの運河がなければ、船での輸送はアフリカ南端を迂回するためさらに1万キロ近くの航海が必要になるのだ。

ところでこの時のエジプトはまだオスマン帝国の支配下にあったが、この工事に掛かる膨大な資金がオスマントルコの財政を圧迫した。費用がかさみ耐えきれなくなったトルコはスエズ運河会社の株式をやむなくイギリスに売却することになる。イギリスはこれによって中東に対し大きな影響力を持つことになるのだが、その影響力はこの後さらに大きなものになっていく。それがアラビアのロレンスが活躍した第一次世界大戦だ、この戦争で敗北したオスマン帝国の覇権はここで終わる。

そこでオスマン帝国からのアラブ人独立運動に協力したイギリスはアラブ人との友好関係を強め、さらに現在のイスラエル国のある地域もイギリスがオスマントルコにとって代わり、その地をパレスチナの名をもって委任統治するようになった。この時ユダヤ人はパレスチナ人と同じパレスチナの一民族としてこの地に居住していたが、それまでのシオニズム運動と迫害による人道支援の影響で1947年国際連合においてイスラエルとしてパレスチナから分割が認められ建国が果たされた。とはいえこの時から複雑な居住区域の攻防がパレスチナとの間で始まる。概略を書いたが、民族の多様性やそれを支援する国の思惑などこんな文章で治めることは出来ない。詳細で正確な歴史は茂木誠氏の動画がとても分かり易い。

とはいえ、私がこのことを記事にしようと思ったのは、この地域の歴史はおどろくほど複雑であり、単純に一つの側面から結果を導くのは難しいと思えるからだ。

因みにこの地で起こった今回の戦争を私が勝手に提唱する「international peacekeeping Organization 国際平和維持機構」に当てはめてみた。結果はこの件は依然述べたままの状態では対処できないことが分かった。というのもこの機構はいずれかの国の停戦の意志をもって国際平和維持機構が、停戦の条件を決めその実行を各国に促すものだからだ。ようするにいずれかの国が停戦の意志を国際平和維持機構に示さなければならないのだが、今のイスラエルとパレスチナにははたして停戦の意志があるのだろうか。いくら市民が停戦を望んでいだとしても、その国の国家元首がそう望まなければ停戦の可能性は生まれないのだ。

さて、ここ最近このような戦争が世界中で相次いでいる、この戦争も日本人がニュースから知ることが出来たのはハマスという武装組織がイスラエルの市民が集まるコンサート会場に突然攻撃を仕掛け、多数の民間人がその犠牲になったということだけだ。ではなぜそのような攻撃があったのか、その理由についての報道がない。あたかも、そんなことより攻撃を受けて黙っていていいわけがない、お前は賛成か反対かどっちだと聞かれてテロを肯定する人はいないだろう。とはいえこの事件に対し、さっそく様々な動画がYouTubeに流れている。その中で特に気になったのが、ハマスが使った大量の武器はいったいどこで調達されたのか(越境3.0チャンネル)。そして世界最高峰と言われるイスラエルの諜報機関はなぜこの動きを察知できなかったのか、また高度な防空能力を備えるアイアンドームはなぜハマスの攻撃に対応できなかったか(深田もえチャンネル)。

このような情報がすべて正しいというつもりはないが、冷静に考えれば天井のない収容所と言われるガザ地区にどうやって2000発以上のミサイルを持ち込めたのか、またそのミサイルを発射したのは固定の発射台か移動式なのか、いずれにしても呆れるほど大掛かりな装備になるに違いない。しかも電気は制限され水も満足に供給されない地域で、世界一信頼性の高い防空システムを搔い潜り、特定の場所に着弾させるというシナリオは本当にあり得るのだろうか。さらに不思議なことは、この攻撃は誰のために何の目的で行われたのかイメージがつかめない。もしパレスチナ人の開放の為というのであれば、壁を破ることが先決なのではないだろうか、というのもこのような攻撃が成功したとしてもその何倍もの火力で報復されることは誰でも想像がつく、その状況を招いておいて市民が壁の中に残ったままというのはどうしても理解しがたい。それにもまして周到に準備されたテロにしては結果の達成にそぐわない状況でせっかくかき集めた武器を後先考えず飽和攻撃に使うというのは論外だ。

飽和攻撃が有効なのはその攻撃で当初の目的が確実に達成できる場合のみだとすれば、この攻撃でハマスが得られたものは何だったのだろうか、私にはイスラエルに攻撃を加えたという事実と相手に憎しみを残したことぐらいにしか考えられない。この攻撃はまさかそれだけが目的だったのだろうか。

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Posted by makotoazuma