2024年 夜の住人
世の中にはあたりに暗闇が迫るとようやく活動しだす人がいる。私からするとなんだか効率の悪いことのようにも感じるのだが、意外にも野生の世界では、その世界はマイノリティーではないらしい。
とはいえ人間様にとってこの世界は、より人間の内面がむき出しになってしまう世界のようにも感じる。よく言えば神秘の世界だが、だいたい目にするのは、通常理解に苦しむような行動を、この時とばかり発揮しだす人がいる。これを単に酩酊のせいだと決めつけるのも拙速というものだろう。
昔サヘルローズさんというタレントの方が、人間は恐怖の極限に追い込まれると、日の光さへ暴力的に感じることがあるそうだ。そのような視点に立つと闇の世界は、人間のもつ繊細で危うい感情も許容して包み込んでくれる、ある意味やさしいの存在なのかも知れない。