思考ラボ
思考のまとめ⑥ 量子もつれ
最近量子もつれという言葉をよく耳にする、とは言え私がそのような情報に近づいたのか、情報が私に近づいてきたのか、残念なことに私はこの説明を何度聞いても理解が出来ない。そもそも量子とはという結論を聞く前にこちらの許容度が限界をむかえてしまうためだ。
とはいえ、私にとってこの世がどんなものであるかの興味は尽きないので、その溝を埋めるためには、学者の言っていることを自分の許容できる範囲内で認識するより他ない。そこで改めて物質の限界である素粒子を私の無学の限界で理解してみたい。
要するに物質は目で見える限界を超えて観測し続けると、これまでの物理学の常識を覆すような現象が観測されてしまうという大変なことが起こってしまった。たとえば素粒子の世界には、スピードの限界である光速を超えて情報が伝わったり、原因と結果の因果律の成立しない観測という立場によって決定されるらしいのだ。このことを突き詰めていくと果たして物質は、この世に存在しているといえるのだろうかという疑問に行きつくのだ。
これまで私の認識では、物質の持つ特性はその個体に支配されているということが常識だった。たとえば鋏は紙を切り裂く性質を持つが、鋏から熱風が噴出して髪を乾かす性質はない。また鋏を机の引き出しに仕舞うと、その鋏が引き出しから勝手に外に飛び出すようなことは無かった。ところが素粒子の世界では、最小単位の物質であるにも拘らず、粒子の中に何通りも性質が観測され、とても1つの粒子の性質として説明しきれるものではなかった。つまり素粒子には複数の性質が混在してしまう、それでは都合が悪いので複数の粒に分けてしまうと、今度は素粒子の位置を特定することが困難になる、結局多様な性質を持ちながら位置が特定しづらい構造をイメージすると紐のような形がイメージできることになる。この考えはアインシュタインの目指すスカッと明快な世界とはずいぶん様子が違っているようだが、現在では量子物理学の定説である。
そんな天才アインシュタインが特に否定的に捉えていたのが、素粒子は対で存在していて、その片方の素粒子は常に片方とは逆向きの回転運動をしなければならないそうだ。さらにこの2つの素粒子はどれほどの距離をとっても逆向きの動きをするらしい。つまり素粒子の情報は光速を超える速さでも空間を伝わるらしいのだ。こんなことを理解することは、数式を理解できない人間にとってはまさに理解の限界である。
ではこの現象を私が無理やり認識するために考えたことは、空間を捻じ曲げることより物理理論を捻じ曲げることだ。そこで私は実体の本質を無意識という情報の蓄積だと考えた。このことは以心伝心など人間の意識は、潜在意識で繋がっているということから思いついた。このことが成立するとすれば、潜在意識は時空間には存在し得ないのである。
その様に考えると潜在意識とはすべての物質と繋がることが出来ることになる。そして潜在意識の本質とは何かと考えれば、それは森羅万象の記憶ではないだろうか、そのように考えるとテレポテーションや輪廻転生なども不思議なことではなくなる。我々はこの記憶を光の場において立体的が空間で移動しているように認識することを現実世界と認識しているだけなのかもしれない。つまり物質とは無意識の鑑に映された情報のホログラムでは無いだろうか。
つまり常世と現世、あの世とこの世の世界は鏡を挟んで常に逆向きに映し出される。これを私は無意識と有意識の世界と考えている。
このように考えると実存の主体は無意識である。さてこの現実と無意識を分け隔てているのが、認識という行為になる、物理では観測と表現さていれる。事象の本質である無意識にはこの認識という概念がない、なぜなら認識には自己という個性が必要になるからだ。そのため無意識の世界には仕切りがなく、いわゆるワンネスの世界だということが出来る。このことから無意識の世界にあるのは常に結果という記憶になる。そしてこのように仕切りのない世界では善悪の仕切りもなくなるということなのだ。
さてこの無意識と有意識の世界が成立するためには、そのための動機が必要になる。そこに唯一作用する力が記憶を拡大させたいという無意識の欲求である。この欲求のために形を持たない無意識は、有意識となって情報を貯め込もうとする。つまりこの欲求こそが有意識を形成し、有意識で起こる物理現象は熱エネルギー反応として認識される。この熱エネルギーは有意識の世界を常に拡大させる方向に動くが、逆にこの膨張を押し留めようとするのが重力の世界だと考えている。熱エネルギーの膨張圧力は拡散というエントロピーの矢印で表現される。そして宇宙はこの熱膨張と収縮圧力との均衡によって維持され、力の均衡によって作られる境界面が宇宙の果てである。
このような世界感から量子もつれを観察すると、物質の本質が無意識の投影であり、物質は鏡を介したように常に無意識の存在とは逆向きに認識される。しかも無意識は時空を持たない存在であるため、情報は時空を介さず伝達される、という考えなのだがこの考え方で行くとデジャヴや予知夢の説明が難しい、やはりパラレルワールドか多次元宇宙の考えは必要だろうか。