2021年 言霊
【言霊は迷信なのか】
言葉の持つ力、単なる迷信といって通り過ぎることもできますが、最近特に注目されている世界のようにも感じます。私がまだ幼かったころ、ちまたでは科学万能の時代と言われていました。何かすると人間が月に行く時代にあっては科学的に証明されていないものは、存在自体が認められないような時代でした。本当の科学の最先端ではどんどん精神世界と科学との敷居は低くなって来つつあったのですが、そんなことは一般人が知る由もなかったのでしょう。精神世界を語ることは現実世界に背を向けるようなものと捉えられかねない時代でした。
【人類から愛される呪文】
そんな時代を経ても言葉のもつ力は潜在意識のかなり深いところで、脈々と人間社会に影響を与え今日まで続いているように感じます。最近ではハリーポッターなどでも呪文が世界中で喜んで受け入れられていることをみると、言葉の力は偶然一定地域で信じられた迷信とはいいがたいように思えます。それは、人類の持つ共通の性であり、集合意識の実在を我々に示しているようでもあります。特に日本人は、言葉についていにしえより国を挙げて大切に受け継ごうとしてきたのではないでしょうか。それは、文字の伝承よりもはるかに重要な地位を言葉が占めているように感じます。そのことは、漢字の音読み訓読みという複雑な使い方にも日本人が言葉に寄せる思いを見出せるのではないでしょうか。