今日は好日
2022年 3月26日 一期一会
このスケッチは今から30ウン年前に私が描いたものです。云年前というのは日付の記録がありません。
また、スケッチと言ってしまうと微妙なところがあります。むしろ心象風景と言った方が正確かもしれません。
実のところこの絵は30ウン年前、私が職場で偶然出会った風景です。当然勤務中でしたが、そのあまりの美しさに帰宅してからすぐに記憶を頼ってスケッチブックに起こしたものです。実際の空はさらに深い藍色で、その藍色の雲の隙間から覗く、痛いほどの茜色はこの世のものとは思えないほどの美しさでした。
所詮自然現象なので条件が合えば、いずれまた巡り合える風景かと思っていましたが、いまだに巡り合うことが出来ません。
ところで、この景色は何か特別なイベントが有って出会ったものではありません。何事もない、平凡な日常の一コマで、おそらくこの日のこの景色を懐かしんでいる人は、宇宙で私一人だけだと思います。つまり私がいなければ、この日のこの景色を語る人は、宇宙に存在しなくなるということです。
こんなことはどなたの心の中にも「何故か心に残る大切な風景」として刻まれているのだと思います。その大切な風景こそ宇宙が貴方だけに託した貴重なメッセージなのではないでしょうか。