今日は好日
２０２２年 ３月３０日 金の魅力
貨幣のことではなく金属の塊、まさにゴールドです。おそらくこの価値に疑いを持つ方はおられないと思いますが、金の魅力の一つには時代を超え、国境を越えて価値を担保できるという側面があります。
ではその魅力とは何かと言えば、あのピカピカ輝く見栄えでしょう、それを身に着けることで周りを簡単に威圧してしまうほどの輝きがあります。権威やその威光を誇示する目的で世界中の建築物にもふんだんに使われています。なぜならその輝きは錆びることが無く普遍的な象徴になるからです。その美しさは何千年もの間土に埋もれていたとしても、昨日作られたばかりかのような輝きを放ちます。
また金属にしては柔軟なために、金貨が流通していた江戸時代までの日本人は、歯で噛むと簡単に歯形をつけることが出来たため、その金貨が本物かそんなふうに確かめていたそうです。冗談で時々日本の金メダリストが、メダルに噛みつくしぐさを見せるのはその名残です。
さて、現代における金の魅力と言えば、装飾性や荘厳さの演出というより、錆びないレアメタルとしての価値でしょうか、半導体の基板に使われていることは有名です。いずれにしろ、その普遍的魅力は世界共通の価値となっています。つまり国境や時代を超え世界共通の通貨としての側面も担っているということです。なので、急激なインフレの時には一定の価値を保つことが出来る、価値の安定した資産として注目されるわけです。現在のように世界中で紛争が起こると信用を失った国の通貨より、金の方がずっと魅力的に見えてしまいます。最近金の値段が上がり続けているのはそんな理由もあるようです。
ところで、このように大変魅力的な金ですが、デメリットも当然あります。その一つに金は金利や配当がないために金をただ持っているだけでは価値は増えません。つまり相場が動かなければ値上がりすることも無いんです。
言い換えると金を大事に抱えていても世界に創造的な明日は来ません。金は過去を維持することは出来ても明日を作ることは出来ないということです。私たちが手に入れた金融という技術は信用という無限の価値観を手に入れました。私たちの希望はこの信用にあります。