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今日は好日

2022年12月3日gallery,今日のできごと日々のブログ

2022年 4月15日 レストランバスク

昨日久しぶりにレストランバスクを訪れました、函館ではとても有名なレストランです。実は昨年の暮れオナーシェフの深谷宏冶氏が文化庁より表彰を受けたことが新聞記事になっていて、そのお祝いもかねて伺ったのですが、報道からすでに4ヶ月程たちます。そのため、呑気におめでとうと言われてシェフも驚いていたようでした。

その時、シェフから「(私が伺ってから)もう40年もたつね」と言われ、私が初めて伺った時より30年以上という認識が40年の方が近くなっていることに改めて驚かされます。月日のたつのは速いもので、いろんなことがあったにせよ振り返るとほんの一瞬です。

ところで、深谷シェフについては料理界ではとても有名な方で、その中でも特に今回の受賞の切っ掛けとなったのが、33回の開催を迎える街バルというイベントについてです。巷では何々バルという言葉を耳にすることがあると思います。

このイベントは日を追うごとにますます全国に広がっていて、関西や札幌でも地域の活性化のため積極的に取り組まれている街もあるようです。この街バルを初めて始めた方が深谷シェフです。もともとスペイン人が居酒屋をはしご酒する習慣を函館の西部地区で始めたもので、お客さんは前もって食券を購入し、酒とその店で提供するおつまみを頂きながら店を梯子します。立ち飲みスタイルが基本でバルが開催される日は、薄暮の頃から酒飲みの老若男女が街に溢れます。

みんな主催者が配る参加店の地図を手にしているために、隣の人がイベント参加者かどうかすぐにわかります。そのため、一人で参加しても見知らぬ同士で、自分が訪れたバルについての情報交換などをして不思議な一体感が生まれます。

さて、このレストランの料理についてですが地産地消がこの店のテーマです。つまり、地元で採れたものを調理して提供するということなんですが、地元農家から提供される食材以外にも、シェフ自ら近隣で採取してくる食材を楽しむことが出来ます。急にワイルドなイメージになりますが、自分の暮らす大地と一体になるという食事の枠にとらわれない大きな気づきを得ることが出来ます。

この考えはシェフの一貫した哲学のようで、このレストランの料理には大地のエネルギーを、口から直接頂くような力強さがあります。私は提供される野菜料理に、特にそのことを感じています。

例えば香りの高いカブやえんどう豆、甘く炒められた玉ねぎやジャガイモなどシンプルな調理法ではあるけれど、注意深く調理された素材は、素材そのものが持つエネルギーで輝いています。

函館には縄文時代から人々が大地の恵みを受けて暮らしています。レストランバスクではそんな古代から伝わるロマンも感じることが出きます。