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日々これ切実

2025年7月6日ようこそ

2025年 7月6日 下の下の暮らし

世の中上を見ればきりがないが、下を見ても底知れないものがある。落語はそのような下の下で暮らす人間の様子を面白おかしく伝えている。とはいえ時代によりどんな暮らしが最下層の暮らしなのかを探ってみると、あまり笑えない事実が浮かんでくる。先日放送された落語研究会でお馴染みの「らくだ」という落語が柳亭市馬氏の演目にあった。氏の落語は良く通る声でとても聴きやすい。それもそのはず氏はプロの歌手という芸歴も合わせ持っているのだ。ところで演目のラクダという噺は江戸時代のアウトローを描いた話で、生業が卑しければ性格も嫌われ者という、まさに箸にも棒にも引っかからない下の下と言われる人間が描かれている。

しかも話に登場する主人公のラクダはすでにこの世のものではなく、その家を偶然訪れた兄貴分が、ラクダの弔いをどのように出すのかがこの噺のストーリーになっている。と言う事はこの時代は生前どれほど世間に迷惑をかけた人間であっても最後は弔いを出すことが、当たり前の時代だったと言う事なのだろう。

それではこれを現代社会に当て嵌めてみると、現代に暮らす我々の社会は本当に我々が理想とするところに向かってきたのか疑問に思える。というのもここ最近、現代社会における孤独死という問題がクローズアップされてきた。この問題が単純でないのは、自分には子供がいるから孤独死とは無縁だとは言い切れない所にある。要するに現代のように地域社会と隔絶した生活環境に社会全体が向かえば、この問題は、ますます深刻になってくるからだ。要するに一時どれほど有名な芸能人であっても、この問題とは無縁ではいられないのだ。

つまりこのような問題を考えるには、やはり今から自分たちの生活環境を考えてゆく必要があるのではないだろうか。

その為にも、合理化こそ最優先の利潤追求型社会を見直し、自分たちの与えられた寿命をどのような思いで全うさせるのか、そんな視点で人生を考えなければならない時代に成ってきたように感じている。

 

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Posted by makotoazuma