今日は好日
2021年 10月19日 炎の人
ビンセントバンゴッホの映画のタイトルです。この俳優はカークダグラスという超大御所OK牧場の決闘などの西部劇やスパルタカスのような歴史スペクタクルまで洋画好きで知らない人はいないほどの売れっ子です。で私がこの映画を見て驚いたのがゴッホの自画像と顔がそっくりで麦藁帽を被ってミストラルの中キャンバスを立てるさまはとても演技とは思えないシーンや星空のカフェテリアを思わせる夜のテラスのテーブルにチョークでランプの明かりを描き出すさまは鬼気迫るものがありました。
そしてそっくりといえばアンソニークイン演じるポールゴーギャンです。クールな自信家で世の中を達観したような難しい性格を活き活きと演じていました。おかげでこの両者のイメージは、この映画から決まったような感じがします。
とはいえゴッホの手記などを読むと理性的で知的なゴッホが見えてきます。絵のタッチや色彩について分析的でアカデミックな側面と一方、斬新でクリエイティブな側面は自分流のタッチを駆使し浮世絵のような当時流行の最先端に挑戦する姿は、物語の暴力的で狂信的なイメージとは相いれないものです。
ゴッホにとってはこのような衝動的性格の人格と繊細で冷静な人格が入れ替わり登場するような、自分であってもコントロールが効かない自分を抱えながら生きていたのだと思います。
ただ救われるのはゴッホは自分の才能に絶対的な確信を持っていたということです。また弟テオの審美眼も兄弟の絆を堅固なものにしていたのだということです。