2023年 和歌 日照
「日が照らす 波風騒ぐ磯浜に 心の温(ぬく)む ありがたさを知る」
和歌には日本の心が詰まっている、とくに万葉集からは当時の人々がどんな思いで暮らしていたのか思いをはせることが出来る、そこから窺えるのは、人々の心は常に日本の風土とともにあったということだ。
この世界最古の歌集には人間の心の移ろいを、必ず四季のうつろいと共に表現されている。つまり太古から日本人は日本の自然あってこそ人の生業が成立することを理解していたに違いない。喜びも悲しみもすべての価値がこの神聖な大地の恵みの上でなりったている。我々の祖先はその心を最も大切なこととして現在の我々に命を繋いできたのではないだろうか、このことを守り次の命につなげることが現在の我々に託された祖先の願いである。それは皇室を仰ぐ心に現れている。
我々日本人は今日まで、その象徴として皇室を敬いその存続を願ってきた。そしていつの時代においても世の中に湧き起こるいかなる争いの災禍も、皇室には及ばないよう細心の注意をもって支えてきたのである。時には強欲に目がくらみ躓きながらであっても、ここだけは守り抜こうという気概がなければ、とっくに歴史の荒波に飲み込まれていたに違いない。
このことは世界の歴史からも明らかなのである。我々が日本人であることを誇りに思うためには、精神の美しさ、自然の美しさ、皇室に繋がる歴史の美しさを守っていかなければならない。