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春望録

2025年4月10日gallery,ようこそ

2025年 4月10日 買収

現在ほとんどの企業は株式会社を名乗らなければならなくなった。この場合銀行を通さなくても資金がすぐ手に入るメリットと、それとは逆にその株式をより多く保有する者が割合に応じていきなり経営に口を出してくるという怖さがある。現在のように会社は資本家のものと思われていれば、お金のやり取りだけで簡単に支配権が入れ替わる。

ところで今日のニュースでトランプ大統領は日鉄によるUSスチールの買収を好ましく思わないことを記者団に伝えた。これに先立ち大統領は買収計画を審査する対米外国投資委員会に対し、再び審査を指示する文書に署名している。ところで買収が失敗に終われば今度は日本製鉄がUSスチールに対し900億円もの違約金を払わなければならないそうだ。なんだか日本製鉄には気の毒としか言えない状況になるが、国家的視点で見ればこの結果も止む負えないと思ってしまうのだ。

例えば日本でも様々な一流企業がすでに、このような海外からの買収に有っている。中でも強い印象を受けたのがシャープの液晶技術や東芝の半導体である。これらの技術開発には日本の貢献が著しい筈だったが、これらの需要が最大限に高まっている今、その市場に日本企業の影響力を感じることは出来ない。とはいえこれらの産業が世界中で得ている利益を考えれば、今更ながら当時、国を挙げて何故これらの技術流出を止めることが出来なかったのかと思うと残念でならない。結局このことについて当時どのような経緯があったにしろ、これらの技術流出は国家的損失になることを忘れてはならない。因みに近年国内で自家用車の納期が遅れているが、その理由に半導体不足があり自動車の生産が止まってしまったということがあった。こんなことはかつて半導体製造のシェア世界一誇っていた日本では考えられない出来事のように思っていた。ところが我々の知らない間にいつの間にか日本は半導体の自国生産すらままならない異常な事態に陥っていたのだ。このようなことを考えれば製鉄会社はさらに深刻な企業秘密を抱えている、と言うのもこの買収により戦車等のプロテクトアーマー製造をこれまでこの会社が受け持っていたとすれば、海外企業にこの機密を奪われる可能性が出て来る。

この点、日本製鉄はこれまでの社歴を辿れば製鉄技術を海外に惜しみなく与えてきた実績を持つ。このような会社の買収をアメリカは快く思うだろうか、万が一にもこのような最高機密が流出されることが起これば、これによるアメリカの損失はけた違いなものになる。それに加えて契約の後ろ盾を期待する日本政府自体がアメリカの意向をまるで理解できない状態にあり、この状態でこのような話を進めることは、目隠しをされてつり橋を歩かされるようなものである。結局このようなやり取りもお互いの理解や信用がなければ成立するものではない。特にセキュリティークリアランスの理解が出来ない首相の政府では初めから交渉は望めないのである。

昨日も日本の首相はアメリカとの電話交渉に失敗したという噂が流れてきた。がしかし現在の政府の外交を見ればアメリカの意向に沿う事など欠片も見えない行動をとっておきながら、電話でこれらの妥協点を見出すなど一般人でも理解に苦しむのである。少しでも首相が日本のためを思うのであれば、職を辞すことが何より日本のためになると思えるのだ。日本経済はいまそれほど追い詰められた状況にある。

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Posted by makotoazuma