日々これ切実
2026年 1月22日 話し合いのテーブル

話せば解ると言いながら、そのテーブルに就こうとしなければ話し合いは生まれない。しかも日本といえば古来より話し合いを尊ぶ民族であることが神代の時代から伝えられている。
さて、今スイスのリゾート地ダボスで開催されている世界経済フォーラム通称ダボス会議が世界中から注目されている。ダボス会議といえば反グローバル界隈では、都市伝説のように語られる謎の多い会議である。例えばこの会議で世界に食糧危機が迫っていると言えば、ある国の大臣は急にコウロギをほうばりだし出し美味いという。そればかりか全国の学校給食にいつの間にか粉にして混ぜられいるというほど力のある会議だ。
というのも、この会議が謎めいているのは、各界で活躍するリーダーをこの会議が勝手に招待するのだというので誰でも参加できる民主主義とは無縁のものらしい。とはいえ各界を代表するリーダーがここに集まれば、世界に対しそれなりの影響力を与える事になるのは間違いない。事実このフォーラムは国連のオブザーバーとして機能しているのだそうだ。
ところで、そんな謎の会議が、今世界中の注目を集めている。というのも今月19日に開催されたこの会議で、アメリカ大統領のトランプ氏は各国の首脳に対し、ガザ地区の統治機関となる平和評議会への参加を呼びかけているからだ。とはいえ、このような呼び掛けは、すでにある国連の立場を微妙なものにしてしまいかねない。さらにこの評議会はガザ地区の問題ばかりに限定されていないところも各国の参加を微妙なものにしている。というのも現在EUはグリーンランドの問題でアメリカとは溝を深めているからだ。つまりアメリカ主導で開催されるこの評議会で物事が決まるようになれば、結局グリーンランドの問題もこのまま押し切られかねないのである。そればかりか、世界平和評議会といえば1950年代に提唱された社会主義国による核軍縮条約を思い起こさせ、ウクライナ戦争もロシア有利に講和が結ばれるのではないかという懸念が残る。
しかしながら、この地域に暮らすパレスチナ市民にとって、そんな経緯より切実なのは停戦による平和な暮らしだろう。街は破壊の限りを尽くされているにも拘らず、行き場を失った市民は途方に暮れているのだ。つまり、国連による平和解決が見込めないのであれば、違う方法を模索するしかないのである。今回トランプ大統領は60カ国の国々に対し評議会への参加を呼び掛けているが、前述のとおりアメリカと距離を置くヨーロッパの国々はこれへの参加を拒んでいるようだ。当然先日来日したイタリア首相も態度を保留しているようだ、恐らくイタリアがEUに背くことは経済、安全保障の面から言っても不可能に近いのだと思う。そうはいっても日本としては、この機会に世界に向かって日本の存在感を示すことが、その後の立ち位置を決める事になる。
まずはこの機会にイスラエルとパレスチナの問題に対し日本は平和的解決を望んでいることをアピールする必要があるだろう。さらに今回この機関にはロシア、中国も参加すると言う事なので、この問題に対し平等な立場で両国と話し合いを持つ絶好のチャンスになるはずだ。このように日本が積極的に中東情勢と関わる姿勢を示すことは、岸田政権で失った中東各国との信頼関係をようやく回復できるチャンスになるのではないだろうか。