日々これ切実
2026年 2月1日 消費税の謎

いま、衆議院選挙の公約として与野党含めて取り上げられている消費税なのだが、さまざまな税がある中、悪税とまで言われるのは、この税が納税のための大原則である応能負担つまり、懐の温かい人が税を多く負担するという原則で消費税はこの原則に反していると訴えている。とはいえ、このような訴えに対し消費税は買わなきゃかからないので不公平ではないと反論する人も居る。
ところがこの反論には大きな視点が欠けている。というのもこの税金はそもそも誰が納めているのかと言う視点だ。レジのシートなどを見れば確かに消費税分と書かれているので、一般的にその分の合計が税務署に収められていると思ってしまう。実際はインボイスが導入されるまでは年間1000万円の売り上げがなければ法人税を免除されてきた法人があった。
何を言いたいのかというと消費税は価格に含まれていることを建前にした法人税なのである。このことは時の政府が第2法人税という表現を認めている。ようするに法人が納めなければ消費税は1円も徴収できないのである。
このことは企業の税負担を減らし幅広く税の負担をしましょうという消費税導入の目的が揺らいでしまう。さらにこの税が悪税と非難されるのは、法人税では認められる諸経費の控除が認められないことだ。つまり企業にとって大きな経費である人件費が消費税では控除できないのである。このため企業は社員を追い出し外注という形で仕入れコストを増やして売り上げを圧縮し法人税を下げようとする。これにより起こった弊害が企業の純利益だけが突出する経営状態だ。一見このことは企業にとって好ましいことのように思われるが、結局これにより市場経済は停滞、或いは縮小したと思っている。
というのも純利益といえば企業に認められるあらゆる控除を差し引いた資金だ。この控除には企業による研究や施設など未来に対する投資の経費まではいる。つまり純利益が担うのは株式の分配金や社内留保になる特にこの社内留保については600兆円とも言われる資金が出番のないまま燻ぶっている。ところで日本の株式といえば最近とんでもないほどの値上がりをしているが、いま日本株の保有者は、ほとんどが海外の投資家になる。つまりここに資金が集まっても企業の利益はどんどん海外に分配されてしまうのだ。これでは国内の経済が衰退する一方なのは明らかなように思える。
因みに、これまで経団連というところは、政府が日本の国益を守るためにその意見を参考にしていたのかと思うとどうも国益とは関係ないように思えてくる。というのも消費税増税がこれまで経団連の悲願のように見えてしまうのだ。さらに言えば労働組合を束ねる連合についても本当に労働者の生活を考えて組織された団体なのか怪しんでしまう。というのもこれほど労働者の生活が苦しくなっているにも関わらず、なぜか彼らは夫婦別姓の運動が気になるのか、残念ながら私にはそれ以外彼らのメッセージは届かない。
さて、今回の選挙で盛り上がる消費税についてなのだが、悪税というなら残すべきではない。つまり生活者の目線で考えればとうぜんのことだ。とくに食料品だけ消費税を免除するというのは更に最悪の選択になる。何故かといえばこれに掛かる事務は莫大な量に上りかえって国民生活に不毛な負担を強いる事になる。さらに言えばこれにより免税だった飲食業者は否応なく価格を下げざるを得なくなる。というのも、今ではむしろ仕入れが上がる傾向にある、そればかりか電気水道料など光熱費の負担も高まるばかりで、ローン金利まで上げられてしまった。この状態で最低賃金まで上げられればどのような事になるのか想像できない。ましてやこれに掛かる財源をファンドで賄うという無茶苦茶ぶりだ。投資は自己責任というのが常識である、確かに現在でも公的年金の運用はGPIFにより行われているが、この運用に対しこれを言っている党はGPIFによる運用がマイナスの時どれほど酷い言葉を使って政府を非難してきたか忘れてしまったのだろうか。それはともかく単年度で審議する国家予算についてファンドを使うというのは呆れるのを通り越してあまりにも恥ずかしい。
ついつい長くなってしまったが、要するに消費税減税の財源は、法人税増税でなければ収支の辻褄が合わないことになる。なぜなら、消費税は法人税であり現在も企業が支払っていることに変わりないからだ。私は企業にとっても納税額は変わらず、納税の名目を変えるだけで消費税の廃止は可能だと思っている。このことにより人件費は必ず賃金上昇となって表れる。それにより各種保険料収入は自動的に増加し、これにつれ国民の購買力が盤石になれば外食産業も価格転嫁が容易になり経営は安定するはずだ。本来はその結果をみて最低賃金の検討という流れになるだろう。