日々これ切実
2026年 5月8日 その映画で何かが変わった

ゴールデンウイーク中スターウォーズの再放送があり、このシリーズが初めて世の中に登場した「新たなる希望」を視て1977年の配給当時を懐かしんでいた。というのも当時はTVよりもまだまだ映画が娯楽の中心という時代だった。中でも子供の世界と思われていたSFが、この映画から大人も同時に楽しめる映画に替わっていった。因みにこの映画が登場する以前に登場したスタンリーキュービックの「2001年宇宙の旅」は、SFを大人も楽しめるジャンルに押し上げていた。あの映画が印象的だったのは科学的に裏打ちされた革新的なメカニカルデザインだった。しかも、そのストーリーには現代の社会問題にも通じるAIやロボットによるシンギュラリティの問題を含み、今でも謎とされるモノリスなどは、人間創生のテーマに繋がる深遠さを孕んでいた。ここまで来ると子供を含めた娯楽というジャンルからは、最初から距離を置く映画に思える。それに引き換えスターウォーズに登場するキャラクターはビジュアル的のも分かり易い、毛むくじゃらのチューバッカからメカの塊のようなC3PO、また自走コンピュータを思わせるR2D2など外見から特徴的で分かり易い。しかも帝国軍を象徴するダースベーダーの黒は強固な意志を感じさせ、これに支配されるストームトルーパーは意志を持たない白で表現される。つまりストーリを知らない者が初めて見ても楽しめるように出来ている。
ところでここまでの事なら、これほど革新的な映画という評価にはならないのではと思う。そしてそのことを何十年ぶりで視たこの映画は語っていた。というのもこの映画は改めて見直してもやはり新鮮なのだ。その理由を考えるとそれまでSFといえば書割のような背景が常識でどことなく浮世離れして見えていた。ところがこの映画の背景は現実世界と見分けがつかないほど精巧で影の付き方などもかなり細かいところまで作り込まれている。しかも次々展開するシーンが印象的なカメラアングルで切り取られているので、その印象はいつまでも美しい絵画のように記憶に残っている。しばらくしてこれと同じ印象を受けた映画が日本のアニメ「風の谷のナウシカ」だった。