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日々これ切実

2026年5月27日ようこそ

2026年 5月27日 美しさとは

「美しい国日本」といえば政治家のキャッチのようだが、これを突き詰めていくと日本人とは何かという壮大な思いに繋がる。特にこんなことを意識せざるをえなくなるのは、自分達とは異なる美意識を持つ他国の国文化と渡り合わなければならない場合、人は皆、自分のアイデンティティについて思わざるを得ない。

さて昨日訪れた北海道立函館美術館の展示は、そのことを強く意識させる展示に思えた。サブタイトルの「うつくしき日本画」というタイトルにもそのようなニュアンスを感じてしまう。というのもこの展示を出迎えてくれる横山大観の作品群は明治維新から連なる日本画家の気概を象徴しているように感じるのだ。明治維新といえば日本は、国を開き他国の文化と対等に渡り合うことを余儀なくされていた。しかもこの流れは、廃仏毀釈、脱亜入欧など、ともすれば日本文化を捨て去ることが文明開化のように受け取られていた節がある。そのような流れに、待ったをかけたのが思想家岡倉天心の思いだっただろう。その思いは東京芸大の前進である東京美術学校へと結実していく。展示はこの流れに沿うように、東京美術学校の第一期卒業生、横山大観から一年後輩の菱田春草へと繋がっている。また展示されている作品のほとんどは額装された小型の作品と掛け軸により構成されているのだが、このことにより展示作品は驚くほどの数の著名な作家たちで充実していた。しかも作家ごとに工夫された展示ブースは屏風画のような大作に匹敵する存在感を会場に与えていた。

 前田青邨熊野詣三副対の作品(このブース撮影可能)

この他にも上村松園のブースや横山大観による富士山をテーマにしたコーナーでは、目の前に迫りくる西洋美術の巨大な流れに、日本画の作家たちは、これとどの様に対峙すべきか常に問題意識と向き合いながら創作に向かっていたのではないだろうか。

さてこの展示のもう一つの特徴は戦後の昭和を担った作品群が充実していることだ、例えば唐招提寺障壁画の基になった東山魁夷のスケッチや日本画のモダニズムを代表する加山又造、さらに最後の展示コーナーは杉山寧の作品群で締めくくられていた。ベテランになると杉山の作品を見ていると懐かしい記憶が蘇ってくる。それはそこここに置いてあった雑誌文芸春秋の記憶だ。しかも今回実際に見る肉筆の鮮烈な色彩は曖昧な記憶の沼からそのイメージを生々しい現実の世界へ掘り起こしくるのだ。

最後に創作を志す者へ、小倉遊亀画伯からのエール「冨士画賛」

「憂きことの なほこの上に 積もれかし 限りある身の 力ためさん」と言いつつ小倉遊亀はモチーフを睨みつづけ105歳の天寿を全した。  お見事ですと言うよりない。

 

 

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Posted by makotoazuma