盾つく虫も好き好き
2025年 10月10日 老獪(ろうかい)
世の中、ことを成そうとすれば、よほど強いエネルギーを持った人でもない限り忽ち横槍が入り、足元をすくわれ潰されてしまう。まして国の財布を握る利権のヒエラルキー政治家ともなれば、正しさ一辺倒では身が持たない、政治はまさに命がけのお役目だからだ。つまりそういう視点で政治家を見れば正しいことを言う人だけが常に有能な政治家とは言えないだろう。その点私が思うのは政治家は発言の正しさより、どのような実績を残されてきた人なのかに興味がある。というのも政治の世界であっても、失敗しない唯一のセオリーは何もしないことに限るからだ。要するに政治家が質問だけで満足していては、この先も民意が政治に反映されることはない。
因みに、今回自民党総裁に輝いた高市議員は、岸田政権下において経済安全保障の推進という、あの政権下でよくそんなことが出来たものだと驚くほどあの政権が行ってきたこととは逆向きの政策を推進してきた。あまり良い言葉ではないが、私が政治家にはある種の老獪さが必要だと思う所以だ。このこと一つとっても私は高市氏に政治家としての頼もしさを感じる。というのも正論に拘り他者からの恨みを買い政治家としての発言権を失えば、結局、政治家として何事も無しえないことになる。逆に言えば政治家として何事かを成し遂げる人はそこを切り抜ける術を心得た人と言えるだろう。その意味で政治家は政策の実現力こそが本当の資質と私は感じている。一昨日ノーベル化学賞の発表があり日本人として自然と誇らしい気持ちが込み上げてくる。ところが、このような研究を未来の日本経済発展につなげていくためには、今からでもセキュリティークリアランスの意識を国民全体で共有していかなければならないはずだ。そうでなければ日本はノーベル賞の持ち腐れになってしまわないだろうか。このことは農作物への思いにも繋がることなのだ。このような先見の明を備えていて、しかもどれほどの逆境にも怯まないメンタリティーを持つ首相の誕生こそ日本再生の道なのではないだろうか。