盾つく虫も好き好き
2025年 10月23日 結局こうなる
BBCnewsjapanの記事によると21日ウクライナはロシアの化学工場に対してイギリス製巡航ミサイルによる攻撃を行ったという。この記事によると攻撃はロシアの警戒網を掻い潜り250キロ先にある目標を破壊したらしいが、これに対してロシア側からの発表はまだない。そればかりか、この攻撃に対しロシアは数時間後、ウクライナの発電施設をドローン攻撃しキーウ及び近郊の送電が止まっているそうだ。さらにロシアはこのミサイルを供与し使用許可を与えた国の軍事施設に対して攻撃の正当性を主張しているという。
さてこのイギリスがウクライナに供与し使用許可を与えたシャドウストームという巡航ミサイルは射程250キロあり、ちょうど陸自の保有する12式ミサイルと同程度の性能のようだ。因みに現在進行中の日本のスタンドオフ戦略ではこれの改良型とアメリカ製トマホークの配備により、さらに10倍の長射程を持つ巡航ミサイルを配備する計画だ。
ところで問題は、この攻撃によってウクライナ、或いはこれを支援するNATOはどのような成果を得られたのかだ。残念ながら私にはこれに対する明確な答えが見つけられない。というのもこの攻撃により一時的にロシアの補給に影響が出たとしても、そのことでロシアの侵攻自体を食い止める効果は期待できないだろう。残念ながらこれについてのニュース報道を見る限り、ロシアの反撃により市民が犠牲になってしまった以外戦争抑止の効果すら認められず、かえってこれを供与したイギリス軍の施設がもし仮に攻撃されれば、NATO軍との全面衝突は避けられない。つまりこの結果から見えてくるのは、この攻撃が和平やウクライナの領土回復に役立つどころか、逆に戦争を拡大させ、抜き差しならない状況にウクライナを追いやってしまったこと以外思い当たらないのだ。
もしこれにより、このままアメリカが和平の仲介を諦めてしまえば、残された結果はキーウの占領によりウクライナ全土がロシアに飲み込まれてしまうか、或いはNATOの全面介入によりロシアとの全面戦争となるかの2択になる。この選択がウクライナにとってもNATOにとっても望ましい結果だと言えるだろうか。