ゾクゾク盾つく虫も好き好き
2026年 6月10日 もう限界!

それはこっちの台詞だと突っ込みを入れたくなるが、これは日銀総裁がインフレに悲鳴を上げているという雑誌の見出しだ。このような記事を目にするにつけマスコミの口車に未来を託すのは危険だ、と近頃ますますその思いを強くする。というのもつい先頃もナフサが不足していると言っては政府に詰め寄ったり、今度は謎の誹謗中傷動画によって現在も国会に絶賛ガソリン投入中だ。このような状況を眺めていると彼らは日本国民のために国会質問を行っているのかさえ怪しく見えてくる。
さてマスコミの言うインフレについてだが、確かに現在は物価高騰の状況にあることは間違いない。ではこれを好景気と呼べるのかといえば果たしてどうだろうか。つまり好景気というためには物価高だけではなく賃金上昇も含めてのことになる。確かに今年の春闘は連続して好回答を得た事になっているが、物価上昇に賃金上昇が追いつかなければ実質的な賃金上昇とは言えない。
とはいえ問題はこの賃金上昇を自分達のこととして認識できる人は日本にどれだけ存在するのかと言う事なのだ。というのも嘗ての賃闘であれば、鉄鋼など大手の賃上げはいずれ中小企業にも良い影響を及ぼすというのが組合大好き世代の常識だった。ところが現在の社会では大手の賃金と中小の賃金はさほど連動していないのである。何故かといえば、輸出関連企業が多くを締める大企業は消費税還付のメリットを最大限生かせるため賃上げには余裕がある。それとは逆に内需中心の小売りサービス業は現在最大の危機を迎えているようだ。というのも株価高騰の陰で零細企業の倒産件数が異常な数増えているからだ。
因みに、このまま日本銀行株式会社が利上げをしたとすればどのような影響が日本社会に出てくるのだろうか、ハッキリ言ってマスコミが喧伝する為替の影響はほとんど見られないことは確かだ。何故かといえば2023年に黒田総裁から植田総裁に交代があり、この時から金利は徐々に上がりだしている。ところが為替相場といえばドル円で当時の年平均価格は140円台から現在の160円と14%も円安になったことになる。つまり利上げで円安に向かうというのは真っ赤なウソだったということだ。これほど欺瞞に満ちたオペレーションをマスコミは国民に対し学歴や経歴によるハロー効果を利用して巧みに信じ込ませてしまうのだ。
ところで現在為替より心配なことは、これにより不動産価格への影響が出てしまうことが気になる。というのも長期金利が上がるとすればこれまで不動産投資に向けられていた資金はより安全性の高い債券に向かう可能性が出て来るからだ。しかも不動産ファンドは利上げで資金調達コストが上がるため利益の確保が難しくなるので分配金等の調整に入ることから、一気に不動産投資離れが起こりかねない。当然この影響が路線価暴落の引き金にもなりかねないのである。現在これが怖いのは、都心のタワマン開発が思う様に行かず滞っているらしいのだ。つまりこれまで都心を再開発しタワマンと商用施設を併設すれば自然と客が集まり地域が活性化するというモデルケースに陰りが見えている。このような途方もない金、労力、時間をかけた都心のプロジェクトが現在行き詰りを見せているのだからその影響はただ事では済まないのである。
結局その原因を考えれば、それは庶民にお金が回っていないという一言に尽きるだろう。つまり庶民が外で買い物をするというお出かけ文化そのものが、消滅しようとしているのである。それに引き換え現在はスマホとウーバーさえあれば、外出せずに年中短パンとTシャツで乗り切ることが出来るという巣籠文化が隆盛を極めている。というよりそれ以外は無理な収入と言う事なのかもしれない。
ではもしここに挙げたことが真実だったとすれば、この解決には想像を絶する大改革が必要になるのだろうか。これでは政府が補助金を幾らばら撒いてもその限界は見えているのである。もしこれを是正する手立てが世の中にあるとすればIMF、OECDとの決別しかない。などと言うより税制や自己資本比率などを失われた30年以前に戻せばいいだけなのだが。