今日のできごと
2020年 12月17日 街がなくなる
オカルトのようですけど、本当になくなります。それは、その町が役目を終えたということなのでしょうか。むしろそんなことは歴史的には珍しいことではないらしいのです。砂漠に囲まれたペトラ遺跡も、繁栄を極めた巨大都市であったようで、その必要性が保てた間は、大変な繁栄だったようです。ところが人々の暮らしが変わると、その土地が持つ魅力も変化します。残念ながら永遠の都も我々のただの幻想だったようです。一方そこで刻まれた時間や暮らしは別の思いを紡ぎだします。それがノスタルジーというものなんです。私は、そんな、古い街を散歩するのがとても好きです。空地ばかりが増えた街並みも、以前は目に入ることのなかった。裏窓や出窓に、当時は、どんな景色が映りこんでいたのか、どんな方がどんな思いで、その窓から外をのぞき込んでいたのか、想像しながら歩き回るのが好きです。きっとあの出窓から外を見て、世の中つまらねえなとか、ため息を漏らしていた人が、いたかもしれません。そんな油染みのような思いが、びっしり張り付いた、この街が私は好きです。