今日のできごと
2021年 5月30日 ウサギのパエリア
今朝もテレビ番組にショックを受けての投稿です。偶然「世界のビックリ珍料理」という番組を目にしてしまいました。
私は料理が好きなので、内容まで確認せず、スイッチを押してしまったんですが、その番組はウサギ狩りのシーンから始まりました。ウサギって土を掘ってそこに巣穴を創って生活しているんですね。巣穴は外敵が来てもすぐに逃げ出せるように、トンネルのようになっています。
そこへ人間に飼われたフェレットというイタチの仲間を離して、ウサギを巣穴から追い立てます。追われたウサギは、トンネルを通って外へ飛び出すんですが、そこを人間が銃で仕留めるんです。
「ウサギのパエリア」
そこから皮をはいで、オリーブ油とニンニク、玉ねぎ、ピーマンの刻んだもの白ワインを振ってスープと共に炊き上げます。この料理の一番旨いところは、レバーだそうです。特に新鮮なレバーは美味しいそうです。
いかがでしょうか。私は、前日の晩、「うさぎの麦チャンネル」でウサギの咀嚼音を聞いて癒されていました。で今朝はウサギがかわいそうというよりは、ウサギのパエリヤに食欲を抱いている私がいます。
「ところ変われば」
このことをもって私は、自分を責めようとは思いません。この番組はスペインの歴史的料理をテーマにしたものですが、場所が変わって現在のオーストラリアでは、ウサギは既に害獣扱いです。
ウサギがつくる巣穴のせいで農家が深刻なダメージを受けるからです。では、スペインとオーストラリアの違いはというとオーストラリアではウサギを積極的に食べる文化が無かったからです。ウサギは牛と比べると料理も面倒ですが、食料という見方からすると大変効率が悪いんです。いまのオーストラリア経済の一端を支える酪農は、グローバル経済によって維持されているものなので、自国消費以上の生産が求められます。
「その土地に根差した料理」
そこで起こる問題がスペインとの大きな違いになっています。このウサギのパエリアという料理はすでに1000年以上も続く土着の料理だそうです。つまり、その地方の食物連鎖によりそって生態系を維持してきた料理なんです。現在オーストラリアでは、ウサギの駆除のため効率的で大量の駆除が行われているそうです。そこには感情というものが関わることはありません。無機質な殺戮がウサギの命を奪っていきます。そんなウサギには面倒くささと、憎しみの感情しか残りません。一方、ウサギのパエリヤはウサギの命を奪いましたが、その命は喜びと感謝に包まれていました。