G-BN130W2PGN

お問い合わせ先

mail@makotoazuma.com

 

 今日のできごと

2021年9月14日gallery,今日のできごと

 

2021年 1月15日 音楽という魔物

 

 

 なんか、大袈裟なタイトルのようですが、好きな方にとっては、何物にも代えがたい魔力があります。最近はすっかり表舞台から姿を消したようですが、アンダーグランドでは、ますますその特異性を発揮されているようです。それが音の世界です。

 

 その中でもオーディオマニアなどは、救いようがないほど、音の妄想に取りつかれた人たちで、話を聞いていると訳の分からないことを言い出します。たとえば、人の耳では聞き取れない帯域での音を聞き取ろうとしたり。送電線に伝わるデジタルノイズが気になったり。

 

 たぶん、心霊現象について語っている方のほうが人として受け入れられると思います。更には、その聞き取れない音のために何百万というお金が動いたりします。そういうことを突き詰めて喜んでいる方が、世の中にいらっしゃる。いったい物の価値とは、お金の価値とは何なんでしょう。

 

 結局はゴールの見えない妄想の世界なんですが、自分で気づくまでは冷めることがありません。最近ようやくこの世界も言葉に支配された幻想の世界ではないかと思えるようになりました。

 

 つまり、私もその住人だったということです。私がその世界に入る切っ掛けとなったのが、とある雑誌に取り上げられたスピーカの記事でした。「その音の生々しさは、本物のトロンボーンを超えていた。」その記事を読んだとたん、その音が気になってしまって、その音を体験したいと思うようになりました。実現はしませんでしたが今でも気になっています。

 

 正常な方でしたらおかしな内容のおかしな文章だということがわかるんですが、ある種の素質が備わった人にとっては、その音が、現実のことのように思われ、そのことを確かめたい衝動にかられます。

 

 冷静に考えればありえないことなのに言葉によって、無いものが有ることになってしまう。音と言葉の相乗効果で、幻想が美しい現実にいつの間にかすり替わってしまいます。そしてついには、その世界に浸って身を沈めてしまうことになるんですが。正常な理性とは、かけ離れた妄想の世界です。でも、そこに踏み込んでみなければ決して体験できない魅惑の世界があるんです。

 

gallery,今日のできごと

Posted by makotoazuma