今日のできごと
2021年 1月22日 ベートーヴェンを聞きながら
先日の投稿で、田園の第3楽章としたんですが、私の勘違いで第4楽章でした。で確認のつもりで、絵を描きながら古いCDを聞いていました。Londonフィル、モントゥーです。
で何を描いていたのか、これです。もう迷いが止まりません。ひょとして、外の景色とリンクして、四季を追っているのではないかと思えるくらいで、あきれています。
そして今突然頭に浮かんだのが、「マルメロの陽光」という映画です。主人公は、アントニオ・ロペス・ガルシアという画家です。どんな絵を描く画家かといえば、スーパーリアリズム。と書きましたが。このようなジャンル分けがいいのか、とにかく細密描写なんですが、目指すところがどうも、無理があるような、例えば、バスルームのデッサンがあったとします。そしてそこから感じられるのは、その空間に存在していたであろう、湿り気を含んでじっとりした空気です。
それは「デッサンがうまいからそう感じるんでしょ。」と言い切りたくなりますが、画伯の絵に取り組む姿勢を見ていると、意識してそれを表現したのではないか、或いはそう感じ取れるまで、作画を追求した結果ではないかと思われます。
映画に話を戻すと、画家が庭に植えたマルメロを描くために、創作の準備を始めるところから映画は、始まります。まず、キャンバスの中にマルメロをどう収めるか、点を打ったり、補助線を引いたり、目線が動かないように糸で垂直を決めたり鮮やかな手際で作業が進みます。
つまり、これが初めての作業ではないことが、ここでわかります。そしてやっと作画が始まると、実ったマルメロの実は、やがて、画家が描き切る前に、熟れて実が落ちます。すると画家は、何事もなかったかのように、粛々と絵の片付けを始てめしまいます。それだけの映画です。皆さん、この画家は、いったい何を描こうとしていたのでしょう。この映画のラストに、街の景色を描き続ける主人公の画家が登場します。夕闇迫る街をやはり、ひたすら追いかけています。私は、ここが映画のテーマ、ヒントではないかと思います。ひょっとして画家は時間というものを描こうとしていたのではないか、そう思うのですが、いかがでしょう。
それから、この映画はドキュメンタリーです、この投稿をご覧になった忍耐のある方にはお勧めできる映画かもしれません。