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 今日のできごと

2021年9月14日gallery,今日のできごと

 

2021年 2月10日 アンダルシアの犬 Un Chien Andalou

 

 

 シュールといえばこの映画、ルイス ブニュエル監督、脚本、そこに巨匠サルバドールダリが手を貸します。映画のモチーフやイメージを提供したようですが、ほぼダリ色です。

 

 映画のはじまりは、アパルトマンの窓から覗く満月に、剃刀のよな鋭い雲が一筋、月明りを切り裂くように横切ります。そのイメージから透かすように現れてくるのが、女性の眼球に剃刀を当てるシーンです。

 

 また別のシーンではダリの作品を思わせる無数の蟻が、手のひらに空いた穴から、溢れるように湧いてきます。とても、猟奇的でおぞましいシーンがオムニバス形式で登場しますが、もちろんストーリーはありません。ただ、ありのまま感じて頂くための映画です。

 

 そんなわけで監督は相当の非難を覚悟して公開に臨んだそうですが、結果は予想に反して拍手喝采で迎えられ、この新人監督は見事シュルレアリストの仲間入りを果たしたそうです。

 

 それでは、何故このような、おぞましい映画が受け入れられたのか、そこには精神世界の研究に大きな足跡を残したフロイトの研究があります。フロイトの研究には表層意識と潜在意識の関係について精神的な傷が潜在的な恐怖心となって人格形成に影響を及ぼすことを唱えます。

 

【シュールとは】

 

 つまり、精神の解放には、潜在的な恐怖心と向き合うことが必要とされます。たとえば、手のひらから溢れてくる蟻は、ダリにとってのトラウマですが、その蟻のモチーフによってダリは、自分の潜在意識に潜り込もうとするトラウマを具現化し表現しています。そうすることで、自分のトラウマと対峙しようとしているのです。

 

 そこまでして訪れるのがカタルシス、精神の解放です。いま、自分の暮らしぶりを振り返ると、自分の考えよりも人の評価を優先しようとしている自分に遭遇します。そのほうが客観的で、自分の評価も人任せなら悪いのも人のせいにできるからです。それでは、その生き方で生きてきた人たちは、いったい誰の人生を生きたといえるのでしょう。

 

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Posted by makotoazuma