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思考ラボ

2024年11月17日gallery,ようこそ

 

悟りマスター真実の心と極悪人の生涯

 

 

【貴方はどちらの映画を見たいですか】

 

 実は昨日の投稿のつづきです。もし「悟りマスター真実の心」と「極悪人の生涯」映画のタイトルだとしたらあなたは、どちらの映画を選びますか。

 

 もちろんもしもの話です。私は当然極悪人の生涯だと答えました。私が極悪人を賛美していると捉えられると困ってしまうのですが、私はスクリーンに映画が映しだされて、素直に感情移入できるのが「極悪人の生涯」だと思っています。

 

 おそらくその映画にはきっちり起承転結があって、私の期待を裏切らないそんな内容ではないかと思います。何故そう思うのかといえば、自分の経験から極悪人の思いが想像できるからです。

 

 一方、悟りマスターの真実の心は、果たして私たちが共感できる映画なのでしょうか。つまり、悟りとは、真実の心とは、私にはとても想像のできない世界です。例えばスクリーンに映し出されるのは、ただただ真っ白な光でしかも2時間30分以上の大作だったとしたらどうでしょう。あなたは耐えられますか。

 

 ちなみに、現代音楽の世界にはジョン・ケージ 作曲の4分33秒という3楽章すべてが休符という現代音楽にとって記念碑的な作品があります。作曲者がいれば演奏者もいるのですが、演奏者はピアノの前でひたすら4分33秒、休符を演奏し続けます。平たく言えば黙って譜面を見ているだけなんですが、これを裸の王様と言ってしまえば理解が足りないと怒られそうです。

 

 とにもかくにもこの作品を楽しむためには楽しむための受け手の覚悟や努力が必要ということなのだと思います。

 

 話を映画の世界に戻すと、もし映画というものが人間の望みの投影だとしたら、人間は本当に悟りを望んでいるといえるのでしょうか、むしろ極悪人の生き方にでさえ、ストーリーがあれば善悪に囚われることなく共感できるのではないでしょうか。それこそ我々が背負った悲しい性で、私もこのようなロジックを考えながら迷わず極悪人の生涯のほうが楽しめると思ってしまうほど深くしみ込んだ悲しい性です。

 

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Posted by makotoazuma