思考ラボ
本当の自分と仮初の自分
皆さん精神と肉体は離れても存在する。といっても、結構素直に受け入れられそうな気がします。
それほど肉体と魂という言葉は受け入れやすいのだと思います。では、本当の自分と仮初の自分ではいかがでしょうか。この問いに一番の障害になるのが、自分という認識です。
簡単な言い方をすると、同じ自分と言いながら、それぞれ違うものを指すのか、結局同じものを指すのかという疑問です。
では、私の結論はというと、そもそも片方の自分には実態がありません。最初から存在していないんです。それは、言うまでも無く仮初の自分のことを指します。
仮初の自分とはいったいどのようなものなのでしょうか。それは常に過去に向かう存在です。
なので、実態として捉えることが出来ません。つまり因果律の世界を住みかとするために因縁の世界から離れることが出来ないんです。それは常に過去と未来に身を置くために実態としては認識できません。
逆に本当の自分は、今この瞬間にしか存在しません。今は積み重ねることができないので、いまここにしか存在できないものです。
つまり始まりも無ければ、終わりもない時空という考えでは捉えることが出来ない存在が今です。
それにたいして仮初の自分は、その実態を感じることは出来ないのですが、時間軸で説明がつくために容易に在ると思い込みやすいんです。
だから、気が付くと仮初の自分にとことん縛られて因果律の幻想から抜けることが出来なくなります。輪廻転生とは時間の幻想に囚われ抜け出ることだ出来ない状態を言います。
人間に生れながらも畜生のように因果律に盲従してしまう、いずれ、目覚めることにも思い当たることのない人生を歩みます。せっかく人として目覚めるチャンスを受けながらその希望を自ら手放すようなものなのですが、心配はいりません。いずれ本当の自分に会いたくなる衝動が起こってきます。その時がチャンスです。焦らず行きましょう。