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思考ラボ

2024年11月17日gallery,ようこそ

感動は何処から来るのか

先日何気なくバレエのボレロを動画で見て感動しました。ボレロといえば私のスタンダードはジョルジュ・ドンのボレロで何故そうなったのかと言えば、「悲しみのボレロ」という映画の影響が大きかったのだと思います。当時はバレエにはさほど興味がなく、彼の演技を見てもモーリスベジャールの不思議なポーズを永遠と繰り返す、体力勝負のダンスとしか印象が持てませんでした。

ところが先日偶然、YouTubeのサムネールを開いたのですが、動画の再生が始まると暗闇にスポットライトで浮かび上がるその手のしなるような動きに、釘ずけとなり気が付いたら動画を最後まで見届けていました。慌ててどなたの踊りだったのか検索したところ、シルビーギエムというダンサーにたどり着いたのですが、世界規模で有名なバレーダンサーをこの日まで知らなかったということに、我ながら恥ずかしい思いになりました。

 

興味が無いということは恐ろしいもので、どれほど世間で騒がれていても興味を持たなければ存在していないのと一緒ということなのでしょう、遅ればせながらではありましたが奇跡の出会いに感謝しております。

ところで舞踊に関心の無かった人間がなぜ急に関心を持ち出すようになったのかということですが、彼女のバレエを見ることはそれほど理屈抜きで心地良く感じたということなんです。けっしてジョルジュドンと比べてということではなく、舞踊に対する関心は、自分の中で少しづつ高まってきていましたが、バレエにスポットを当てた興味ではありませんでした。バレエも多くの舞踊の一つという捉え方で、その奥深さからすれば私がコメントできるものでは無いと思っています。

ただ私が触れたいと思ったのはこのような体を使った表現は古今東西で存在し、その起源を辿ると人類の起源と変わらない歴史があるのだろうと想像できます。つまり、舞踊の世界はバレエも含めて人間の本質的な何かを表現しているのではないかということです。あえて言葉にするとすれば人類の動的美しさや、宇宙へと繋がっているのではないかそんな印象を受けます。

そのような感覚は物理学者が数式を眺めて美しいという感慨に耽るのと相通じることなのかもしれません。それほど彼女の動きは完璧であり、宇宙の神秘が表現されているようでした。なので、私のようにバレエに全く知識のない人に対しても感動を届けることが出来るのではないかと思っています。ところで、これを創ったモーリスベジャールはいったいどなたの動きを思い描いてこの振り付けを創作したのでしょうか。

初演は彼女が踊っていますので、彼女が舞台に上がる前から、ベジャールの頭の中では彼女の演技がすでに始まっていたのではないでしょうか。そう思えるほど完璧な美しさがありました。

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Posted by makotoazuma