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思考ラボ

2024年9月15日gallery,ようこそ

象との共存

インドの田舎では、作物の収穫が近づくと毎晩、夜どうし象と闘わなければならないという。今の日本人には想像もつかない生活をしている人たちがいる。彼らの作った畑で収穫が近づくと象がその作物をめがけて襲って来るそうなのだ。今の日本に暮らす私たちは、簡単に銃で追い払えばいいではないかと思ってしまうが、これにはそう簡単にできない理由がある。それは彼らの信仰が解決を容易にできない理由でもあるからだ。

彼らのほとんどが信仰するヒンドゥー教にとって象は神様の化身なのだ。これでは暴力的に解決することなどけっしてできることではない。さらにこの事態を深刻にしているのは、彼らがどんどん狂暴化してきているそうなのだ、噂では象が人間の肉を食べてしまったということまで噂が飛び出してきた。

ご存じの通り象は陸上では最大の哺乳類で、その大きさに合わせて古代の戦争において彼らは強力な兵器として使われていた。それほどのすさまじい破壊力を持っているのだ。またそれにも勝る知性も兼ね備えていて彼らの認識力や記憶力はかなり高く、危害を加えた人間の顔なども長い間正確に覚えているそうなのだ。

そのため村人は村や作物を守るために、彼らが活動を始める夜になると、村人は火薬を鳴らして夜通し彼らを追い払っているのだが、これを毎晩収穫が終わるまで続けなければならないのだそうだ。なんとも気の遠くなるような作業なのである。

ただ彼らもこれほど非効率な撃退方法をだまって続けていたわけではない、これまでも電流柵を巡らしたり、堀を掘ったりそれなりの抵抗を試みてきたが、そのたびに象によって無力化されてきたのだそうだ。

そこで、私も象との平和的な共存はできないものかと思い、思考実験をしてみた。これほどの労力が必要ならば人間用の作物とは別に象が好む植物の栽培をしてはどうだろうかと考えてみた。例えば人間用の作物の周りに象の好む植物を植えてみる、もしそこで象が自分たちの腹を十分満たすことが出来れば、象は人間が好む作物を襲うことはなくなるのではないだろうか、なるほどこの方法は一時的には可能なことのように思われるが、彼らの巨大な体を支えるためには、毎日相当な量の食料が必要になる。そして食料が十分行き渡れば当然彼らの個体数は増えていくはずだ。

とここまで来て私はこの先を考えることが出来なかった。次に私の頭に浮かんできたのが万里の長城だ、結局21世紀に暮らす私は、紀元前に出来たこの壁を乗り超えることが出来なかったというわけだ。

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Posted by makotoazuma