1997年 レダの島
この作品も何故このようなタイトルなのか今となっては分かりません。ただ特徴的なのは作品の中にカタカナの「アとン」の文字が埋め込んであって、おそらくこの頃、始まりと終わりが同時に存在する世界に関心があったのだと思いますが、その意味するところまでは理解が及んでいなかったと思います。ただ言葉の重要性については気づいていたのかもしれません。
ところで、この年の公募展は会員として初めての出品となりました。会員は無審査ということなのでそこが魅力です。早速私は自由勝手な表現を試みています。私の云う自由とは自我に対しての自由です。結局自己矛盾からは逃れられないのですが、アートといえば個性の追求が活動の主要な部分にもかかわらず。私がとった選択は衝動に任せようということです。結果についてはお任せしますというスタンスです。おかげでさまで何を描こうかテーマに行き詰まることは無かったのですが絵が飯のタネになることはありませんでした。だからと言って後悔をしているわけではありません選択をすると選択の結果が現れる。私にはちょうど良い選択であったと思っています。