2009年 象を飛ばす国
象飛びまーす!!
今振り返ると、この時の色使いが最近の作品に影響していることがわかります。そしてタイトルもかなりシニカルなイメージですが、なにを伝えたかったのかというと、「本来飛ぶはずのない生き物を人間の力によって飛ばしてしまう、これって良いことなんですか」のような感じです。別に象に対してとか生き物に限ってというわけではないのです。生命であればクローン技術やそれまで神の領域として触れられなかったことなど、人間の技術が、力ずくで踏み込んでゆくことへの警鐘です。これから作品をどんどん過去へ遡ると以前どんな気持ちで作品と向き合っていたのかがわかります。以前は世の中に対し結構シニカルな立場で作品を作っていたんですね。つまり視点が外に向いていたんです。今ふと気づいたんですが前回紹介した「天の深さを知る」は、完全に自らの内面に向けた探求がスタートする宣言のような作品ですので、2009年から2010年は外界から内面へ関心が移るターニングポイントだったようです。改めてよくわかりました。ちなみに、象を飛ばす国って、夢のような国を作った国です。