日本国憲法を考える
こんなことは、私のような学の無いものがすることではないと思うが、先ほど国会議員逮捕の報道を知り黙っていれば世の中治まるという考えは捨てることにした。というのも我々庶民からすれば国会議員さんというのは立法府を司るいわば法律のプロだ。しかも逮捕された人は文部科学副大臣を担当され経営学の修士まで持つ人だとなれば、自ずと国民からの信用は集まるはずだ。だからこそ国民は彼らが創った法律に黙って従っているのだ。みんなそんな人達が管理する帳簿には間違いなどないだろうというのが世間の見方ただ。
ところが今回の逮捕はあまりにもずさんな帳簿の不記載によって起こっている。私も気になり、ウェキペディアではあるが内容を確認してみたところ私が真っ先に感じたことは、闇の話というよりは、帳簿の余りにもひどい扱いに腹が立っほどだ。そればかりか挙句には教育システム開発エンジニアなのにもかかわらず証拠のPCをドライバーで破壊してしまったとは、これでは現行犯逮捕は当たり前のことだ。こんなことでは国民の政治不信はますます募り、そのため国民から政治への関心はさらに遠のくことになる。
つまりそもそも政治家が血眼になって政治資金集めをする理由は、我々国民の政治に対する無関心にありそうだ。そのため政治家は国民に対してまじめに政策を訴えるより、結局、組織票をあてにして飴をばら撒ことに専念するのではないだろうか。つまり何故政治家がお金に頼ろうとするのか、そこに目を向けなければ政治の腐敗は止められない。お金の流れに目を向けることも大切かも知れないが、もっと国民が政治家の政策に関心を向けるべきなのではないだろうか、このような悪循環が起こって不幸になるのは国民自身に他ならない。
さてこのような状況の只中で次の選挙があるとすれば、おそらくその争点は憲法の話題になるだろう。もしその可能性があるとすれば、この機会は憲法問題を改めて考える千載一遇のチャンスになる。というのもこのようなチャンスはこれまで、発議がある度にことごとく潰されてきたからだ。
だとすれば、この問題に対し国民は国会がうやむやに終わらないように警戒すべきだと考える。そこで今回この投稿記事をもって私なりに日本国憲法の問題点を考えてみたい。
それではさっそく、日本国憲法に対する国民の考えかたについて整理してみると、憲法改正、憲法創憲、憲法護持の3つの考えがある。
その内私は憲法護持については、はっきり否定的な立場である。というのも現在日本にある諸問題の多くの原因が現憲法にあると思っているからだ。そこで、次に考えるのは現憲法にある不備を正すか、または憲法のすべてを創り直すかの選択になる。確かに現憲法は日本人がこころを込めて書いた文章とは理解しがたい。実際あの草案はGHQが書いたと言われるように、海外にはその痕跡が残っていて、誤訳ではないかと指摘される部分もあるそうだ。とはいえ、他に新憲法の草案が巷に出てこない以上、自民党改憲案の草案を元に考えを深めた方が目的に至る早道と考えている。
さて、私が現憲法で最も危惧するところを優先順に示せば、まず第一には国防の問題がある。私がこれを最も優先して考えるのは、このことが多くの人命に関わる緊急の課題と思うからだ。特に自衛隊の身分はいまだに心持たない。いわゆる憲法9条にある戦争の放棄及び次項にある陸海空戦力の保持の禁止については、これを文字通り解釈すれば、国連の認める自衛権であっても兵器を使わず人の拳で戦えということになる。
現状の日本はこれに様々な解釈をつけて自衛隊の武装を認めるようにはしてはいるが、その処置は所詮付け焼刃にすぎない。その証拠にこの処置はこと或る度に実際の事案でつまづきを起こしている。先にもあった通り自衛隊が戦地からの邦人救出活動が出来なかったのも、この処置が至らない点の一つだ。
このようにこれまで我々日本国民は、法律の運用を特殊な肩書を持つ人間に任せ顧みることをしてこなかった。私はこのような国民の無責任な態度が今回のように政治家のモラルまで奪ってしまったのだとさえ思っている。つまり日本国民の政治への無関心が国民生活を脅かす脅威になっているということだ。
そこで早速、現憲法の前文から読んでみると、武装放棄の根拠として「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して」という文章が記載されている。では現実的にこれに該当する国を挙げよと言われれば、簡単には誰も答えることが出来ない。つまり国という単位で考えるのと個人のお付き合いでは、全く違う見識が必要になるということだろう。そのためこれらの文言は、日本人の良識を惑わす甚だ如何わしい文章だと言える。
これに対し自民党が改正の草案で示しているところを読んでみる。この文はすでに自民党が憲法改正の草案をネットで公開しているものだ。おそらく今後この流れに沿って憲法改正は進むものと思われるが、現在巷で騒がれている緊急事態条項など実際自民党の草案にはどのような問題点があるのかのかこのブログでも検証してみたい。
以下に自民党の改正案とその下にフォントを変えて私の考えた改正案を載せている。このことを記載する意味は、より多角的な視点で憲法を俯瞰する必要があるとの思いからだ。まずは以下に自民党改正案の憲法前文を記載した。
《自民党案》
日 本 国 は 、 長 い 歴 史 と 固 有 の 文 化 を 持 ち 、 国 民 統 合 の 象 徴 で あ る 天 皇 を 戴 い た だ く 国 家 で あ っ て 、 国 民 主 権 の 下 、 立 法 、 行 政 及 び 司 法 の 三 権 分 立 に 基 づ い てつ 統 治 さ れ る 。 我 が 国 は 、 先 の 大 戦 に よ る 荒 廃 や 幾 多 の 大 災 害 を 乗 り 越 え て 発 展 し 、 今 や 国 際 社 会 に お い て 重 要 な 地 位 を 占 め て お り 、 平 和 主 義 の 下 、 諸 外 国 と の 友 好 関 係 を 増 進 し 、 世 界 の 平 和 と 繁 栄 に 貢 献 す る 。 日 本 国 民 は 、 国 と 郷 土 を 誇 り と 気 概 を 持 っ て 自 ら 守 り 、 基 本 的 人 権 を 尊 重 す る と と も に 、 和 を 尊 び 、 家 族 や 社 会 全 体 が 互 い に 助 け 合 っ て 国 家 を 形 成 す る 。 我 々 は 、 自 由 と 規 律 を 重 ん じ 、 美 し い 国 土 と 自 然 環 境 を 守 り つ つ 、 教 育 や 科 学 技 術 を 振 興 し 、 活 力 あ る 経 済 活 動 を 通 じ て 国 を 成 長 さ せ る。 日 本 国 民 は 、 良 き 伝 統 と 我 々 の 国 家 を 末 永 く 子 孫 に 継 承 す る た め 、 こ こ に 、 こ の 憲 法 を 制 定 す る
文句の言いようがないが、少し文章が長くはないだろうか。
《私の案》
日本国は、建国より一系の天皇がその威徳によって臣民を治める世界にも稀な国家である。このことは天皇を中心に和をもって尊しとなす日本国国民の歴史的総意を表現したものに他ならない。よって日本国国民はこのことを深く心に刻み、万世の日本国および世界の恒久平和を希求することを明文化し、これを日本国憲法と定める。また、この施行にあたっては世界的基本理念である人道、人権を尊重し、主権在民による三権分立の政治体制を堅持するものである。
第 一 章天 皇
( 天 皇 )第 一 条
《自民党案》
天 皇 は 、 日 本 国 の 元 首 で あ り 、 日 本 国 及 び 日 本 国 民 統 合 の 象 徴 で あ っ て 、 そ の 地 位 は 、 主 権 の 存 す る 日 本 国 民 の 総 意 に 基 づ く
《私の案》
天皇は、日本国を体現す存在であり、国家統合を象徴する元首である。国家の主権者である国民は、このことを旨としその維持に努める。
※天皇の地位は日本国そのものを表現するため、存否を問われるものではない。よって国民の総意に基づくという表現は使わない。
(つづく)