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日々これ切実

2026年6月13日ようこそ

2026年 6月13日 自分の思いに忠実なアーティスト

昨晩デイヴィッド・ホックニー氏の訃報が流れた。氏の作品といえば当然のようにポップアートに括ってしまいたくなるが、私には何となく居心地の悪さを覚える。というのも氏の作品にはアンディ・ウォーホルやリキテンスタインなどにみる現代社会に対する批判的要素を感じないのである。また一見プリミティブに感じる氏の作風も確りした美術教育を受けた氏の経歴から意識的にそのような作画を試みていたとしか考えられない。しかしながらその表現があまりにも自由自在なので氏の作品を真似しようにも、凡人にはつけ入るスキを全く許さないのである。

つまり、氏の作品には様々な作家からの影響があったにせよ、制作の動機が他者の作品に依存することは稀だったように感じる。それよりも、氏の制作意欲を掻き立てていたものは、湧きおこる素直な自分の思いではなかったかと思うのだ。

さらにこのことを成功に導いたのはイギリス人の持つ独特の色彩感覚ではないかと感じている。というのもホックニー作品は絵画史の流れにあるイタリア、フランス、オランダ人の持つ大陸的色彩感覚とは違い、色彩に何かしらの意味付けを持たせようとする試みは感じないからだ。これをさらに簡単な言い方にすれば「好きなものは好きなんだ」という明快さで、そこには思想や世間に媚びるところがない。

ところで昨晩は日本の女優、中村玉緒さんの訃報も同時に届いた。私は嘗ての中村氏が自分を信じて疑わない屈託のないイメージにホックニー作品を重ねてしまった。中村氏といえば、夫である勝新太郎氏の度重なる不法行為に泣かされ続けていたイメージがある。ところが、どんな困難な状況でテレビのインタビューを受けても氏は毅然としていて、まるで「世間様がどのように云うても勝新は正しんドス」と言いたげだった、これは夫婦の仲と云うよりも女優として勝新の演技を信じ切っていたからだろ。お二人は世間の評価より自分の思いに忠実だったアーティストのように心に残っている。

ようこそ

Posted by makotoazuma