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日本国憲法を考える

2024年2月12日ようこそ

2024年 2/11 戦争の放棄と安全保障

さて憲法問題といえば、現憲法9条にある戦争の放棄をどのように捉えるかという問題があり、憲法問題といえばハッキリ言ってしまえばこの問題によるところが大きい。さて現憲法の9条には以下のように記載されている。

第 九 条 日 本 国 民 は 、 正 義 と 秩 序 を 基 調 と す る 国 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 、 国 権 の 発 動 た る 戦 争 と 、 武 力 に よ る 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 は 、 国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て は 、 永 久 に こ れ を 放 棄 す る 。

② 前 項 の 目 的 を 達 す る た め 、 陸 海 空 軍 そ の 他 の 戦 力 は 、 こ れ を 保 持 し な い 。 国 の 交 戦 権 は 、 こ れ を 認 め な い 。

ハッキリ言ってこの文章だけで我が国の自衛隊が合憲であると主張することは極めて難しい。ではどのように解釈すれば自衛隊は合憲となるのだろうか、そこで現憲法において自衛隊の合憲性を謳っている文章を見つけるとすれば、第三章 国民の権利及び義務にある以下の条文ではないだろうか。

第 十 一 条 国 民 は 、 す べ て の 基 本 的 人 権 の 享 有 を 妨 げ ら れ な い 。 こ の 憲 法 が 国 民 に 保 障 す る 基 本 的 人 権 は 、 侵 す こ と の で き な い 永 久 の 権 利 と し て 、 現 在 及 び 将 来 の 国 民 に 与 へ ら れ る 。

という基本的人権の解釈に委ねられている。つまりこの憲法によると、日本国国民の命はそれほど曖昧な定義で記述されているに過ぎないのだ。私は日本国憲法は何よりもまず国民の安全を保障する条文でなければならないと思っている。だとすれば新たな憲法はこれを表現する現実的な条文でなければ、憲法の存在意義はなくなるのである。

では具体的に9条2項にある陸海空その他の戦力は、これを保持しないという文言だが、これを読んで自衛隊が合憲と言える人はいるだろうか。むしろこれを読んで合憲とするところが司法の闇なのではないだろうか。そして次にある交戦権とは何か、ここには宣戦布告をする権利ばかりではなく、停戦や休戦交渉の権利も含まれている。つまりこれに個別的集団自衛権が加われば、日本は戦争当事国とはならなくても、自国の意志で終わらせることの出来ない戦争に参加することになる。現在の日本はこのような極めて危険な状態で周辺国の有事と向き合なければならない。このようなことを冷静に判断すれば、戦力は保持しないという文言についてこれが理想だとしても、理想だけで政を考えるのはとても危険なことなのだ。例をあげれば、現在日本では個人が銃を所持することは認められない、だからと言って警察が銃を携行することまで禁じてしまえば、治安維持はままならない。

これは戦力の保持についてばかりでなく、交戦権の放棄についても同じような危険性を感じる。例えば交戦権を認められていない日本は他国に対し相互に依存しあう対等な同盟関係を結ぶことは極めて難しい。現在それらしく見えるとすれば、憲法の支配を超えた極めて危険な行為だと言える。さらに言えば現状での自衛隊の海外派遣は、実際に自衛隊員にとってかなり危険な行為と言える。

そうだとしても海外派遣で活躍する自衛隊の様子は大変誇らしくも感じるが、それは国民が根底にある矛盾に目を背けていればこそ成り立つことなのだ。因みに現在の自衛隊における、海外派遣活動では銃の発砲を想定していない地域に限る活動の為、銃の使用については警察官以上に厳しい規制がある。とはいえこれほど紛争が頻発している環境で、自衛隊員の安全に目を伏せる行為はまともな感覚ではない。

さらに言えば、実際に自衛隊員が銃撃戦に巻き込まれてしまった場合、自衛隊員の身分は全く不安定なもになる。つまり戦闘行為という概念を持たない銃撃戦は、殺人行為との仕切りを持たないことになる。これが自衛隊員に対しどのような悪影響を及ぼすのかというと、まともな国であれば場合にもよるが、戦闘行為は軍法という括りで瑕疵が判断される、つまり刑法における殺人とは一線を引くものだ。ところが戦争を放棄している日本にはそもそも軍法というものがない。ということは自衛隊員の行為はすべて刑事事件の対象と捉えられる危険性があるということだ。つまり場合によっては過剰防衛などという判断もあり得るのだ。

このような無責任な環境にあることを、自分の命を顧みず国家を守ろうという人達にたいし、その背中に隠れる人間が、涼しい顔をして平和を訴えるなど許されていいものかと思ってしまう、正直そのような態度は無知ゆえの態度と思いたい。

さてこのような憲法9条に対し自民党案は第2章の見出しを戦争の放棄から安全保障に変えている。私もこの変更には全く賛同するものだ。それでは具体的な中身について自民党案と私見を比べてみたい。

《自民党案》

第 二 章 安 全 保 障 ( 平 和 主 義 ) 第 九 条 日 本 国 民 は 、 正 義 と 秩 序 を 基 調 と す る 国 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 、 国 権 の 発 動 と し て の 戦 争 を 放 棄 し 、 武 力 に よ る 威 嚇 及 び 武 力 の 行 使 は 、 国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て は 用 い な い 。 2 前 項 の 規 定 は 、 自 衛 権 の 発 動 を 妨 げ る も の で は な い 。※威嚇というのは抑止力という考えに繋がる考えではないか、戦争放棄が条文に残されれば条約の締結や同盟関係、軍法の創設まで困難になる。

《私の案》

第9条 日本国は国民の生命、財産、領土、さらに世界平和維持に必要な世界秩序を護るため国防軍を保持する。ただし先の大戦での反省を鑑み条約により示された領土を超えて武力による拡大を行ってはならない。また日本は他国の領土紛争に加担してはならない。※日本は四方を海に囲まれ他国からエネルギー資源や食糧の輸送を維持することが国民の生命を護るためには必須条件である。このためシーレーンの安全を確保するため各国との協力関係は必要である。

《自民党案》

( 国 防 軍 ) 第 九 条 の 二 我 が 国 の 平 和 と 独 立 並 び に 国 及 び 国 民 の 安 全 を 確 保 す る た め 、 内 閣 総 理 大 臣 を 最 高 指 揮 官 と す る 国 防 軍 を 保 持 す る 。 2 国 防 軍 は 、 前 項 の 規 定 に よ る 任 務 を 遂 行 す る 際 は 、 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ り 、 国 会 の 承 認 そ の 他 の 統 制 に 服 す る 。

《私の案》

さてこの条文で私が思うのは、戦争についてのプロはやはり、国防軍の幕僚が指揮するべきだと思っている。これは昨今の戦争がきわめて複雑で、初動の指示に遅れがあれば場合によっては国として致命的な被害を被ることになるからである。そのためこと軍の指揮にあたっては国軍の幕僚が速やかに対処すべきものと考える。また、このことから有事に際して内閣総理大臣は、国防軍幕僚の判断に対し、政府の方針と異なることがあれば、ただちに問責、その任を更迭することが出来る。また内閣総理大臣は緊急時における国民の避難、安全の確保を地方行政に対し速やかに指示しなければならない。

このように有事の際は指揮命令系統の混乱を極力排除しなければならない為、国会は掛かる事態の収束が認められた時点で、速やかに招集され、かかる政府の対応について審議する。これにより必要があれば国会は政府に対し弾劾請求することが出来る。国防大臣はこの間における、政府としての国防省にたいする管理監督責任を負うものである。

 

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Posted by makotoazuma