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今日は好日

2022年12月3日gallery,今日のできごと日々のブログ

2022年 6月7日 具象絵画と抽象絵画

普段何気なく使う言葉だがいろんな定義があると思う、またそれに対するイメージも様々だ、たまにスパーリアリズムの作家が、自分の作品は抽象だと仰られることがあって混乱してしまう。説明を聞くと納得できるのかもしれないが、表面的には理解し難いものがある。

そこで、このような話題を取り上げるにあたっては、事前に自分の思うところの定義が必要になってくると思う。これは学術的な定義を述べるのではなく、筆者がどのような目線で話を展開しようとしているのかを明確にして、読者に不要な混乱をさせないためだ。

では私が定義する具象画とは、具体的には目に見える対象を描いていること、またその表現としては対象に即した2次元表現がなされていることだ。

さてこれが明確な定義かと思いきや、そうではないことがすぐわかる。例えば立体派(キュービスム)をどうとらえるかだが、私の示した定義では、完全に具象絵画になるのだ。つまりピカソの作品はすべて具象絵画だということになってしまう。このようなことは美術を志された方には常識かも知れないが、一般人にとっては受け入れがたいものだ。

となれば最初の定義の仕方に問題があったのだ。そもそも、最初に示した定義とは、どのような視点からもたらされたものかと言えば、美術史の変遷を理解できるように考慮された、制作する側から見た括りだ。このような括りであればピカソとカデンスキーの作品は一線を隔すことになるのだが、一般人にしてみればどうでも良いことなのかもしれない。

では、改めてその定義を見直すとすれば、どのようになるだろうか、具象画とは具体的なものが我々の知る物理の法則にのっとって描かれた作品、そして抽象絵画とはそれ以外の表現すべてと言うものだ。美術史的な理解からは離れるかもしれないが一般的には受け入れやすいのではないだろうか。

議論は多角的なものの見方や理解に大切なものだが、あいまいな定義から始めてしまうと着地点の見えない不毛なものとなってしまう。一頃、あさまでこのような不毛な議論を聞いていた記憶がある。