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今日は好日

2022年12月3日gallery,今日のできごと日々のブログ

2022年 6月24日 絵画に求められるもの

もともと絵画は何を求めて描かれたのか、我々が目にすることのできる最古の絵は、古代人の描いた洞窟壁画しかない、というより我々が目に出来るものはそれしか残っていない。あるいは石に刻まれたヒエログリフは絵の持つ役割の一部を伝えているのだが、ヒエログリフの特徴は対象を極力単純化した抽象性にある。ところが、現代アートの求める抽象表現とはその目的に大きな開きがあるのだ。

古代人が意図した抽象表現、いわゆる単純化は象形と言う、表現の伝達という目的があった。そのためにはそれを伝えられた人間が解釈を間違わない為の、容易に認識できる共通性を求められるのだ。

ところが現代のアートが目指した抽象化はむしろ曖昧としていて日本語の抽象と言う言葉が適切な表現なのか迷うところがある。

では何故このような言葉が使われるようになったのか、私の解釈ではあるが、この流れは、現代アートの先駆けであるピカソがアフリカ原住民に伝わるお面などに、新しい表現の可能性を見出したことから、プリミティブアートと現代アートを結ぶ言葉が使われたのではないかと思うっている。因みにアフリカ原住民の表現するデザインは精霊の世界で、彼らにとってはしっかりしたストーリーの上で表現されているものなのだが、現代アートの目指す表現はそのようなストーリーから離れたさらに、向こう側の世界を表現しようとしている。

つまり、人間本来が持つ共通の感情に訴える何かだ。言い換えれば古代人も感じていたであろう最もプリミティブな思いと言っていいかもしれない。それは古代人が創造するストーリーよりもさらに根源的な意識にまでたどることになるのだが、ではその古代人のピュアな意識の先にある表現とは何か、「無」と言うよりほかない。