今日は好日
2022年 7月7日 竹に短冊七夕祭りが消えた!
北海道でも函館の七夕祭りには珍しい風習がある。函館に居を構えることになった人たちは7月7日の夕暮れ、いきなり浴衣を着た子供たちが、徒党を組んで家に押しかけて来るさまに度肝を抜かれる。
函館育ちのいい加減年を重ねたベテランからしてみると、七夕祭りの楽しさは忘れられない。何をしているのかと言えば、「竹に短冊、七夕まつり おおいは嫌よ ろうそく一本ちょうだいな けないとかっちゃくぞ」と歌いながら家々を回ってろうそくを集めて回る、何故そんなことをするのかと聞けば、港まつりの提灯に使ったなど諸説あるようだ。
ところで、この歌の最後の言葉は方言で「(蠟燭を)くれないとひっかくぞ」と言っている、教育上ヨロシクないとなったのか近頃ではこの言葉は聞かなくなった。もちろん私が現役の時はどんどん使っていたので、お酒の入って無敵のおじさんに出くわすと、やはり子供と言えど怖い思いをした。
こんな危険な歌を子供のありったけの声を振り絞り、家々を一軒一軒ねり歩いていた。今思い返すと私は家々のチャイムを鳴らした記憶がない、いきなり玄関の戸を開けて大声で七夕の歌を歌っていた。声は大きければ大きいほど喜ばれた、逆に照れて小声で歌っていると「歌い直せ」と叱られた。今考えるとあの時の大人は子供の元気な歌声が自分たちの希望に繋がることを知っていたのかもしれない。
今は7月7日の夕ぐれ、子供たちの歌はまだ聞こえてこない。