今日は好日
2022年 7月10日 ニワカのお参り
昨日は八幡さんで「茅の輪(ちのわ)くぐり」をしてきた。お恥ずかしながら、これが私の人生で初めての体験だった。
この行事は夏越しの祓というらしい。初詣以来の穢れをここで祓うらしいのだが、神社では夏詣でと言っている。
ところで、八幡宮では6月30日にこのような萱草で作った輪を設置しているのだが、厳密なところでは夏至の日に行われるところもあるそうだ。なぜ、このような行事が、いまに伝わっているのかと言えば、須佐能の尊が伝えた厄除けに因むらしいのだ。疫病除けのご利益なので時節柄ぴったりの行事と思う。
ところで、SF映画を思わせるこの巨大な輪くぐりには、きちんとした作法があるようだ、神社によっては多少の違いがあるようなのだが、函館八幡宮ではこの作法と、いわれについて立て札が設置されていた。読むと輪をくぐって左にまわって元の位置に戻る、次に礼をしてから右回に回って、最後にもう一度左に回ると有る。
問題はそれぞれの方向に回る間、対応する3つの和歌を唱える様にとあるのだ。私は初めこの歌を覚えようとして立て札とにらめっこしていたが、早々心がくじけてしまった。そこへ追い打ちをかけるようにまたまた切ない俳句が頭に浮かんできた。
「わくぐりの作法を詠みて刻がたち」
ちなみにこの輪に編まれたかやという草だが、漢字では茅または萱と言う字だ。萱は茅葺屋根などに使われる字だ。萱は稲穂や麦などにそっくりだが油分が多く水をはじくことから重宝されたものらしい。
また、萱にはウガヤフキアエズの尊という神様がおられる、カヤは何かしら神話に関わって来る尊い草らしいのだ。
ところで、私が遅ればせながらの参拝をしたのには、もうひとつ秘めたる思いがあった。
それが土日限定で販売される、がまんうどんだ、みてくれはとてもシンプルで最近のカップ麺にも及ばないかもしれないのだが、その澄んだだしは関東ではなかなか味わえない貴重なものだ。また使われているめんは透明感があってつるつるしている。何気なく盛られた具は、小さな蒲鉾に函館八幡宮の焼き印が押されていて見た目も可愛らしいのだが、焼き印でできたお焦げが、香ばしいアクセントになっている。ほかにも、わかめやあげだまがしずかに盛られていて清々しさを感じさせてくれる。
私はこのうどんに見えないところにも心を込める日本の美を感じるのだ。