今日は好日
2022年 7月24日 道立近代美術館「古代エジプト展」
北海道立近代美術館 「古代エジプト展」に行ってきました。といっても函館からは片道250㎞、自動車で休憩を挿みながらの小旅行になります。この日は森町の赤井川から高速にのり、洞爺湖で遅い昼食をとりました。昼食はわかさいも本舗でとりましたが、ここは洞爺湖を全面ガラス張りの店内から眺めつつ、ゆったりと食事を楽しむことが出来ます。
ところで湖畔には湖を取り巻くように現代作家による立体作品が設置されていて、作品と自然のコラボという、ここでしか味わうことのできない展示となっています。掲載の写真は昼食の後店の裏手にあったのが安田 侃氏作品、偶然ですが空や湖に浮かぶ雲や島に作品が呼応しているようです。
この日はたっぷり休養を取り翌朝、古代エジプト展に臨みましたが、かなり内容の濃い展示なので充分体調を整えて鑑賞された方が良いかもしれません、因みに同行した妻と娘は棺のあるブースでダウンしました。あらぬものが見えたそうですが、展示物は美術品ではなく、もともと埋葬品です。
ちなみに、写真に載せた立派な図録は展示品の写真やその解説もとても充実していますが、それでもやはり自分の目で見た実物からの印象とでは受ける印象がかなり違ってくることがあります。とくに私は実物のサイズから受ける大きさ、重さ、また質感から受ける繊細さにインパクトを感じています。
たとえば、棺の大きさや重量感は展示室全体を重い空気で満たします。それとは反対にその表面に緻密に施されたヒエログリフの描線と色彩の鮮やかさはそのレリーフに込めた願いの強さを表しています。解説によるとレリーフは死者が冥界で迷わず暮らせるようにと故人に伝えているそうです。
つまりここに展示された4000年ほど前からの遺物は、時を超えて当時の人々の願いを現代の我々に伝えています。その願いとは死後も消えることのない魂の存在と魂の暮らし、それを支える水と小麦そしてビールです。悲しいかな4000年間死んでもビールは放せないとは。