今日は好日
2022年 8月8日 第015回 はこだて国際民族芸術祭最終日
昨日は芸術祭の最終日だった。そう思うとつい歯止めが利かなくなり、もぐフェスで無茶をしすぎたのか今朝はすこし胃がおもかった。
さて、写真はアーチストのバーバラ村田さん、何となく怪しげな雰囲気なのだが、たった一人で彼女の描いた独自の世界に観客を誘ってしまう、不思議の国のアリスに出て来る危険なウサギのようだ。不思議なのはこのウサギが動き回るたびにだんだん魅惑的に見えて来ることだ、おそらくキャバレーで働く踊り子のイメージなのだろうかその動きはこの風体にもかかわらず色っぽい、たぶん彼女の動きがそのように感じさせるのだろうと思う。
ちなみに歌舞伎の世界では女方もすべて男性が演じている、それは頭からつま先までの連続した動きで女性らしさを表現ているものだが、そんなことを言うと偏見を助長することになってしまうのだろうかとかく面倒な時代だ。
話は変わって私の大好きな南米音楽、今年はタキという3人グループが参加してくれた、演目は南米音楽の特徴を地域ごとに紹介していく構成になっていた。かれらの音楽を聴くと何故か血が騒ぐ、いぜん物販ブースでケーナを買って3年たつが、家族にとって私の演奏は騒音でしかないそうだ、そりゃエクアドルを代表する奏者と比べられても仕方がないと思うのだが、音楽には越えられない壁を感じている。
ところで最終日は、天気予報に反して穏やかな千秋楽を迎えられそうだったが、チョイスちゃんが残した不吉な予言は的中してしまった。はこだて国際民族芸術祭の顔「ひのき屋」の登場に合わせるように会場を土砂降りの雨が襲った。演奏は中止かと思われるほどの雨脚だったが、観客は合羽を身に着けその場にとどまった。これまでも雨が会場を襲うことがあったので、ベテランは芸術祭のパスを購入するときはそのことも織り込み済みになっている。つまり観客も不退転の決意で会場に望んでいるわけだが、芸術祭はそれほど楽しいということなのだろう。
最後に昨日の雨より切なかったのが、カテリーナが最後に歌った「翼をください」の歌だった、彼女にとっては彼女の故郷ウクライナのことを思うと、何の不安もなく日本の空を眺めている自分に複雑な思いを感じていたに違いない。その透明な歌声は青い空に届くようだった。