今日は好日
2022年 8月16日 雨に唄えば
今日は朝から土砂降りの天気で窓の外の景色が霞むほどだ、まるで熱帯地方のスコールを思わせる。
ところがそんな雨も、いま気付いたら上がっていて、あれほどゴオゴオとやかましかった雨音もすっかり治まっている。私は無事豪雨をやり過ごしてやれやれと思っていたが、やはり湿気を含んだ空気は生暖かく正直気が滅入ってくる。
そこでいま私の頭に浮かんで来たのが、昔見た雨に唄えばという映画だった。
この映画は私が生まれるかなり前の映画で、私が見たのはTVのロードショウだった。
内容はラブコメディーでハリウッドの有名なミュージカル映画なのだが、日本の有名なコメディアンの方は、彼らの影響を強く受けていたと言われている。それにしても彼らの表現は底抜けという言葉がピッタリなほど徹底的に明るかった。
日本では北野監督が自分の映画でタップを披露しているが、この映画の主人公ジンケリー氏もこの映画の監督をしながら、主人公を演じている。そしてこの映画で披露されるタップは、世界が憧れるほど神がかり的だった。
ところでこの映画を子供に見せるには注意が必要になる、それは水たまりに出会たび、子供は必ずそこへ飛び込んでしまうことだ。
ということで、これはある意味危険な映画でもあるのだが、一方でポスターのように、雨が降っても大人でさえ合羽と雨傘、長靴を履いて外に出かけたくなるという大変ポジティブな効果ももたらしているのだ。
さて私もやっと、気を取り直して現在の天気予報を見てみたところ、北海道中に避難指示が出るほど大変な状況だった。
呑気というのはこれほど罪深いものなのだ。因みに、この映画の制作は1952年となっている。当時の日本はやっとGHQから解放されたところだったが、お隣の国ではなんと戦争の真っ最中だった。しかもアメリカからは多くの兵隊が送られていたのだ、ひょっとして映画の水たまりに飛び込んで雨水を蹴り上げるシーンは、こんなことをも象徴していたのだろうか。