今日は好日
2022年 9月25日 朝の道
今朝久しぶりに散歩に出かけたが、しばらく地元の神社にお参りしていなかったことを思い出した。この写真は今朝参拝した山上大神宮の境内で見つけた木の実だが,何の実なのかはまだ調べていない。ここまで来る間に沢山秋の花にも出会っていたが、私の心に真っ先に湧いてきたのは旨そうという卑しい思いだった。
さて、せっかく神社にお参りしながら、旨そうだけで済ますのはどうかと思うので、今日、久しぶりに神社にお参りした思いをお話すると、秋分の日に参加した沖縄のの弁財天堂のお話と繋がる、沖縄の弁財天のことを祈って地元には挨拶無しかという、少々うしろめたい思いもあり今朝慌てて出かけた次第だ。
さてこの山上大神宮は天照大御神を主宰神としてお祀りしているが、白い蛇の浮き出た岩も境内にお祀りされていて、おそらく天照大御神の荒魂である瀬織津姫、或いは弁財天とも関係があるのではないかと思っている。
もちろんこの後すぐ、厳島神社にもお参りしてきたが、歩いても15分の距離で繋がってしまうのだ。さらに30分もあれば神社はもとより、寺からキリスト教会まで繋がってしまう、そんな宗教の坩堝のような場所にもかかわらずこの街はいたって穏やかだ、いやむしろ穏やかを通り越して枯れてきているといって良い。
というのも、しばらく散歩をさぼっている間に、近所の名所が静かに幕を閉じていたことを発見した。
こちらは近所にある大正湯という大正3年から親子3代で営まれてきた銭湯だが8月31日で閉店となっている、ここが何故名所かと言えば、函館でロケされるドラマや映画に頻繁に登場しているからだ。特に私が印象深かったのは「こんな夜更けにバナナかよ」の監督、前田哲氏による「パコダテ人」の舞台となっていることだ。
この作品は主演に今を時めく大泉洋氏や戸次氏も出演する不思議な映画だった。一見空想の世界のようで舞台となり実在する大正湯の美しさは現実と空想世界を繋ぐ最適な舞台装置のようにも感じられた。その建物が風呂釜の故障のために店を閉じてしまった。銭湯という生業も世界から見ればあまりにも特異な日本文化だったはずだが、時の移ろいは留まることを知らない。
そんな散歩の道すがら寺の前を横切ると、高級そうな線香の香りが漂ってきた。そういえば今日はまだお彼岸だった。その瞬間、心の中の友蔵氏は何か閃いたようだ。
「朝の道 線香かほる 彼岸行く」