今日は好日
2022年 10月3日 祈り
こちらは函館八幡宮の鳥居に飾られたカムイの文字で、おそらく今話題のゴールデンカムイの世界とも無関係ではなのだろうと思うのだが、今日は偶然函館八幡宮の入り口に飾られる石柱の文字に目が留まった。
さてこの立派な書はどなたの書かと石碑の横を除いて驚いた。なんと海軍大将伯爵東郷平八郎閣下の書だそうだ。函館八幡宮と書かれているので、東郷平八郎閣下には特別な思い入れが、函館八幡宮にあったと考えられる。
さて東郷平八郎といえばバルチック艦隊を破った日本の英雄ではあるが、その日本海海戦も一か八か運に左右されるところも大きかったと聞いている。それは、バルチック艦隊をどこで迎え撃つかという問題なのだが、日本が有利に戦いを進めるためには、戦力を極力結集させる必要がある。ところが広い海の上ではそのことさえ至難の業となってしまうのだ。
アフリカの最南端を通ってバルチック艦隊の目指すところは、旅順港に停泊するロシアの艦隊と合流することだ。そのため対馬海峡を通るルートか津軽海峡か、あるいはさらに北上してオホーツク海を抜けるルートか日本にはそれぞれの要所に対し艦隊を分けて配置する余裕がない、東郷は最終的に対馬海峡沖に艦隊を集結させる決断をするのだが、この判断を誤れば、敵は旅順艦隊と合流しその戦力をさらに増してしまうことになる。
はじめは函館八幡宮と東郷平八郎がどのようにつながるのか分からなかったが、この書をしたためることになった経緯には、おそらくこのような背景があったのではないかと思われる。結果的に八幡大菩薩の神助によって連合艦隊に勝利がもたらされたということなのだが、東郷平八郎の国を思い神にもすがる必死の思いがこの石碑には刻まれているのだと思う。
函館八幡宮参拝の後、函館公園の池を通って帰途に就いた。
「あかあかと 鯉のせなと イチイの実」