今日は好日
2022年 10月15日 リアルとは
こちらは98回赤光社美術展の展示風景だ、1mを超える作品の並ぶ会場は壮観だ。デジタル画面受から受ける印象とはまた別の印象を受ける。欲を言えばこのようなところに出かけていって、直接作家から制作の苦労話などを聞くことができれば、自分の世界をさらに広げてくれることになる。
そのような体験が大切だと思うのは、作家によって表現しようとする意図がまるで違うからだ、特にマチエールのとらえ方は作家によって、こうも違うのかというように興味が尽きない。作家はその表現のために様々な画材や素材、技術による表現を試みるからだ、そこから立ち上がってくるものは、奥行きや広がりなど立体的で、鑑賞者の視点や作品にあてられる光の質によっても大きく変化するものである。
ところがこのような取り組みに代わって現代アートの世界はNFTという完全デジタルの世界へと向かっている。先日も自分の作品を焼却する現代アーティストが紹介されていた。最初からなぜデジタルで作成されていなかったのか不思議だったが、私はこのようなパフォーマンスを含めた表現なのだと認識している。
このような時代の変遷からみると公募展に出品される平面作品はすでにレトロな作品と位置づけられてしまうのだろうか。ちなみに少々面映ゆい思いはあるが、今日展覧会を訪れた私はその全く逆の感想を持った
「リアルはまだまだ奥深く、驚きに満ちている。」
98回赤光社美術展 9月18日まで