今日は好日Vol.2
2023年 6月1日 値上げ日和
さて今朝のニュースで一番気になったのがやはり電気代の値上がりだ。先行しているヨーロッパに比べれば、まだましのようだが、向こうは賃金が順調に上がっていての話で、このままヨーロッパ並みに電気ガス料金が上がれば少子化対策どころの話ではない。
というのも今いる世代が食うや食わずの生活に陥るからだ。しかしながら、このような事態になることは昨年の内から十分予想がついていたことで、このブログでも折に触れて電気代高騰の影響について意見を述べてきたつもりだった。このような危機に対し政府は様々な対策を講じてきたが、電気・ガス価格激変緩和対策事業のようなお金のばら撒き対策では、問題解決にならないばかりか、大切な税金を捨てるようなものだと私は思っている。実際すでに始まっているこの事業に対し、今現在どれほどの国民がこの効果を実感しているのだろうか。
たいがい私のように、対策が有ったことさへ知らないのではないだろうか。ではこの対策に政府は、どれほどの予算を見込んでいたのかというと、当初政府はこの為の予算を3兆円ほど見込んでいた。ところがその期限が近づく今の世界情勢は一向に変化が見られず、かえって悪化しているようにさえ思えるほどだ、そんな中で電力大手7社が、いよいよ今月から電気料金の値上げに踏み切ることになったのだ。注意しなければならないのは、この値上げは政府の対策が行われている最中にもかかわらず、値上げが断行されるということだ。さらにこの対策は今年9月までの対策であり、その先については見当がついていないらしいのだ。つまり今年1月から9月までの9か月間で3兆円の税金が投入されたにもかかわらず、何の成果も残せない政策だったということになる。
私はこのような困難に対して政府が現在停止中の原発を買い上げ、原発の再稼働を急ぐべきだと思っている。何故なら現在のままでは電力会社が自ら原発稼働の再開を判断しなければならず、それが簡単に出来るようなら苦労はないと思うのだ。というのもこのような私的なブログでさえ原発再稼働などというのは、原発を反対する人の神経を逆なですることになると思っている。しかしながら、私は今ある原発を稼働させないことで、どれほど安全が保たれているのかと考えると、私は頭をかしげてしまう。なぜなら地震による被害や廃炉時にかかる費用について考えると、稼働していようが停止中だろうが、危険度にさほど違いがないと思えるからだ。しかもその負担は保有する企業にいずれ重くのしかかってくることになるのだ。
とはいえ私は原発についての危険性を感じないわけではない、これほど将来的に負担を残す発電を私も合理的な技術とは思っていない。ようするに私は新規の原発や使用期限の延長を望むものではなく、そんな資金があれば新しいエネルギー産業に向けられるべきだと思っているのだが、とはいえだからといって今ある原発が消えてなくなるものでもない、そうであるなら最大限の安全性を考慮しながら、その恩恵にあずかることは間違いとはならないのではないか。
つまりできるだけコストを回収した後、原発事業を終わらせる必要があると私は思っているのだ。そのように思えばこそ原発は政府が保有し管理するべきだと思っている。このことについてさらに言えば、原発事故による被害は決して一企業で負担しきれるものではないということだ。結局、一度でも原発被害が出てしまうと、その影響は農業や漁業にまで深い傷を残してしまうからだ。このような見地からも、停止中の原発は政府が企業から買い取り、電力供給に緊急性のある施設や企業から優先的に電力を供給していく必要があると考える。
これまで3兆円という税金がどこかに消えてしまったと考えれば、原発を国の資産として保有することに何の抵抗があるだろうか。せっかく、今回のサミットでも日本の製造業に対して海外から熱い視線が送られている最中だ、このような状況で電力の高騰は、企業誘致にいい影響を与えるはずがない、賃上げの流れにも必ず水を差すことになるだろう。
因みに今回の値上げは電力大手7社が発表したものだが、九州、関西電力は原発を継続しており電気料金値上げは必要ないのだそうだ。反対に値上げ幅が2番目に多い北陸電力は電力供給に対しては先進的な取り組みをされていた電力会社にもかかわらず、時代や政策のタイミングと合わなかったことによる影響が災いし、値上げ幅全国2位という残念な結果になった。
とくに原発を導入して間もなく発電を停止してしまったことはこの会社の不幸であり、電力の供給先である北陸一帯の不幸である。このように電力の供給に地域差を生じさせてしまうことは、地方自治にとってよいはずがない、なぜならエネルギーは国や地域を支える要なのだ。