今日は好日Vol.2
2023年 6月26日 深刻なメッセージ
6月24日プーチン大統領が記念日の名称を「第2次世界大戦終結の日」から「軍国主義日本に対する勝利と第2次大戦終結の日」に改めるという法律に署名したというニュースがあった。そんな無茶なというのが私の思いだが、今ロシアの大統領は日本政府の対応に大変憤っているらしい。
何に憤っているのかといえば、言わずもがなで日本がまるでNATOの一員であるかのような対応をし、それに歩調を合わせるような経済制裁についてだろう。結局、この対応は戦争を終息に向かわせるどころか、かえって戦争を長引かせているために、このことによる人類の損失は計り知れないのではないだろうか。この対応について一国民である私は国益を顧みない政府の対応に唖然とするばかりなのである。
さてこの記念日の名称変更はどれほど深刻なものか、特に日本人はよく理解するべきだと思う。そもそもロシアにとって大事なのは第2次世界大戦終結の日よりも、独ソ戦勝利の日である5月8日のはずだと思うのだ。というのも日本とソビエトが戦争になったのは、日本人にとってはソビエトからの一方的な侵攻というイメージが強いましてや日ソが戦争状態になったのは、1945年の8月8日で日本人の認識するポツダム宣言受託の8月15日までは一週間ほどしかない。そもそもその年の4月まで日本は、日ソ不可侵条約を守り同盟国の危機に際しても後ろから襲い掛かるようなことはしなかった。
このような流れにあって日本はソビエトに対しむしろ講和の仲介を期待していたようだ。このようにほとんどの日本人が当時ソビエトと交戦していた事実を知らない。とはいえ終戦の認識は様々あり、実は日本陸軍は9月3日までフィリピンにおいて激しく抵抗を続けていた。このように日本人にはなじみの薄い9月3日なのだが、興味深いことにロシアはソビエト崩壊後、ソビエト時代から続くこの日の制定にプーチン大統領も党首であった現在の与党である統一ロシア党は反対して。そのかわり記念日を日本軍の降伏文書調印の日である9月2日としていた経緯がある。つまりこの時の統一ロシア党の対応は、これまでその一員であった社会主義国との連携に距離を置き日本に対する配慮をしていたということなのである。
このことから伺えるのはロシアが記念日を変更することにより、社会主義国家である中華人民共和国に対してさらに寄り添う姿勢を見せたということなのだ。これまで安倍政権時代には函館の市民イベントにロシアから沢山のアーティストが集り、市民はその質の高さに驚きと感動を覚えていた。しかしながら、このような市民による地道な市民交流も、首相の勝手な暴走によって跡形もなく踏みにじられてしまった。さらにこのことが恐ろしいのは、このことによる負の連鎖はここで終わりではない。つまりロシア政府による教育という方法により、ここから新たにロシア中に向けて日本に対するネガティブな印象づくりが始まっていくことになるのだ。そしてこのような誤った歴史観に対して、これまでの政府は全くと言っていいほど無抵抗だった。むしろ誤った歴史観を肯定するような政府談話に基づき外交が続けられているのだ、このため誤った教育を信じる国民は、自国に対し愛国心さえ持てないでいるのである。もしこのまま民意が反映されずにこのような政策が続いた場合、日本という文化は歴史の中に消え去るしかない。それを食い止める手立があるとすれば、日本人が自ら政治に関心を持ち、自らの選択を国会に反映させていくことしかない。