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今日は好日Vol.2

2024年1月5日gallery,ようこそ,自作俳句絵画 無意識

2023年 1月10日 垂直と水平

幾何の話かと思えば、これは税金の話で、税金の公平さについての考え方だそうだ。この考え方では給与所得の累進課税は、垂直的な公平性を考慮しているのだそうだ。分かりやすく言うと収入の多い人が税金を多く払うという考え方になるそうだ。 一方の水平な納税は、預金や配当金にかかる一律20%の分離課税などがこれにあたる。そして消費税も税率が一律なため水平な税制に入る。一般的に税金の負担は国民すべてがあまねく公平に負担すべきだという考え方に立てみると消費税は、納税者が消費した分の税を納めるものなので、公平で理想的な税制と言われている。 さて一見反論の余地もないようだが、私は消費税に少々疑問を持っている。ご存じの通り現在消費税の税率には2種類の税率がある。この件に関しては消費税導入時から相当な議論があり、現在でも飲食料品の税率は据え置かれ8%となっているが、何故これほどややこしいのかということなのだ。つまり日本では憲法によって文化的最低限の生活が保障されているからである。ところがこれを維持するためには、飲食のほかにもトイレットペーパーや医薬品などの生活必需品がどうしても必要になる。そのため人間一人が最低限保証されるべき収入として生活保護に支給される金額が算出されるのである。 ここで税の公平性について考え直してみると、税制は単に税負担の公平性を求めるのではなく、まず第一に国民の人権を脅かすものであってはならないということだ。そのためには納税者の収入が文化的生活水準を維持できる最低限の基準に達しているかどうか考慮するべきである。納税はこれを満たしたうえでの義務とするべきではないだろうか。このような観点から消費税を考えた場合、消費税では納税者の生活水準まで考慮することはできない。 一方高額納税者にとっては、所得税の負担増になると、さらに不公平感が募るかもしれない、そこで、もう一度所得税の負担増になることを考えてみると、公平性はなくなるのかといえば、私はそのようなことはないと考えている。なぜなら高額の納税者ほど、その収入を得るためには、様々な行政などによる社会インフラの恩恵をより多く受けていると思われるからだ。 昔から高収入と低収入の方が持つジレンマを聖書では厳しく戒めている。マタイ19章16-26節 「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。」とはいえ、これを人間が果たすことは、ラクダが針の穴を通るより難しいそうだ。まったくだと思う。