2023年 相克の扉
今年の赤光社美術展出品作品だ、暗いニュースに引きずられ重い雰囲気の画面になってしまった。なるべく作為的な作品は避けたかったが空に浮かぶ四角形が結局扉のイメージを呼び起こしてくれた。扉は内と外という二つの世界を繋いだり遮るものになったりする。
この二面性は遮るだけの側面しかない壁とは大きく違うところだ。では扉の持つもう一方の機能繋ぐということに注目した場合は遮る機能から繋ぐという機能に変化させるための明確な意思が必要となる。つまり遮るという機能は受動的に起こりえるとしても、異なる世界を繋ぐ機能を使うためには明確な意思が必要になるのだ。
もし明と暗という相いれない世界を繋ぐ扉があったとすれば、そこを開けるためには明確な意思が必要になる。今人類が開けようとしている扉はいったい何処へ繋がっているのか、望む世界に我々が繋がるためには明確なその意思を持たなければならない。